ホーム > 環境について > 環境関連情報 > 欧州RoHS指令に新たな規制追加の動き
情報発信日:2008-12-22
RoHS指令は今さら説明する必要もないほど有名になったEUにおける電子・電気機器に対する化学物質規制ですが、わが国においては電子・電気機器以外の産業にまで大きな影響を与えています。
「RoHS指令への対応は終わった、対策は完璧」と思っている企業も多いかと思いますが、RoHS指令は4年に一度の見直しが行われることになっており、今後も対象となる機器(カテゴリー)や規制物質の範囲は拡大して行くと見るのが正しいと思われます。
今回の改正原案はすでに2008年6月に欧州委員会に提出されて、2012年頃には実施されるのではとの噂が流れています。
今回の改正の狙いは、対象となる製品群(カテゴリー)の追加と規制される化学物質の2面があります。まず、カテゴリーは10種類ありますが、現在規制の対象から外されているカテゴリー8と9に分類される医療用機器と監視・制御装置製品群にも対象が広がりそうです。
次に規制化学物質の追加に関してですが、今回候補にあがっている物質は9種類で、以下のとおりです(なお、2008年11月末の情報では以下の9物質からさらにNo.1〜5までの5物質に絞られたとの不確実な情報もあります)。
追加される規制対象物質は、
一般的に化学物質の名前は一つのはずですが、万国命名法があり、たとえば、上表の"Butylbenzylphthalate[BBP]"は、そのまま英語をカタカナ読みすれば"ブチルベンジルフタレート"で、一般的な日本名では「フタル酸ブチルベンジル」ですが、別名として、フタル酸ベンジルブチル、フタル酸n-ブチル=ベンジル、フタル酸ブチルフェニルメチル、1,2-ベンゼンカルボン酸ブチルフェニルメチル、フタル酸ブチルベンジルエステル、1,2-ベンゼンカルボン酸ブチルベンジルエステルなど、多様な名前があります。しかし、国際的に共通のCASという番号をもっていますので、サプライチェーンでの使用の有無を確認する場合は、必ずこのCAS番号を付記したほうがよいと思います。
噂によると、当初は40〜50種類もの化学物質が候補にあがりながらも、EU域内の調整がつかず17物質に削減ざれ、最終的に9物質が残ったということで、今後も50種類近くの候補物質が再浮上してくると考えられますので、引き続きRoHS指令に関する情報は継続して収集してゆく予定です。