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環境関連情報

EU「WEEE&RoHS指令」#5

現状でのWEEE&RoHS指令対応準備#2

情報発信日:2004-12-24

WEEE&RoHS指令対応準備

RoHS指令はEU加盟国における国内法の整備期限が過ぎた現在も、国内法の整備が遅れているため不確定な部分が多く、対応にも限度があると思われますが、現状において確実にできる準備項目について考えてみたいと思います。

禁止物質の代替品探し

自社の製品がRoHS指令の対象品であり、単独または取引先製品に組込まれてEU加盟国に輸出される可能性がある場合で、明らかに規制物質が閾値以上に含有されていることがわかっており、「従来のハンダ」や「青銅のCAC401、CAC406」などを使用している場合には、代替品の準備を行なう必要があると思われます。また、カドミウム、鉛、水銀、PBB、PBDE等は樹脂の顔料や難燃材として使用されている可能性がありますので、調達先に「非含有」であることを確認し、もし閾値を越えて含有する場合には、同様に代替品を探しておく必要があると思われます。

ただし、対象製品についてはWEEE指令(2002/96/EC)の付属書ⅠAに定める10のカテゴリに記載されていますが、WEEE指令に出てくる定義が明快でないために、グレーゾーンにあって対象製品となるのかならないのかハッキリしない製品も多く、この辺を見極める必要があります。また、規制6物質の閾値については、欧州委員会が2003年12月にTAC(技術適用委員会)に提案した数値は、「鉛」「水銀」「六価クロム」「PBB」「PBDE」に関しては「均質材料(homogeneous materials)」の重量ベースで0.1%、「カドミウム」に関しては同じ重量ベースで0.01%という数値がありますが、確定はしていないようですので、少なくともこの数値以上に規制6物質を含む場合には代替材料を探す必要がありそうです。

グリーン調達サプライチェーンの構築

自社製品がWEEE指令対象製品に該当する可能性が高く、EU圏に単独または取引先の製品に組込まれて輸出される可能性がある場合には、RoHS指令における規制6物質を閾値以上に含んでないことを証明する必要があります。ここでの問題は、製品を「均質材料(homogeneous materials)」単位に分解して、個々に規制6物質の量を分析して、規制値以下であることを証明しなければならないことですが、1材質を分析する費用はおおよそ7〜8万円かかります。しかし「均質材料(homogeneous materials)」単位に分解して分析するとなると、たとえばコンデンサー1個でも9〜10種類の「均質材料(homogeneous materials)」から構成されていることから、60〜80万円の分析費用が必要となってしまい、調達部品や材料まで含めて、すべて自社で分析を行なうと大幅にコストアップになってしまうために、上流の調達先での分析データを各々引き継いで行くシステム、いわゆる「グリーン調達サプライチェーン」を構築しておく必要があります。

すなわち、自社の部品や材料の調達先としては、このような分析データが提供できる企業のみを選別して、データの提供できない調達先は排除する必要があるということです。逆に、自社においてもこれら上流からのデータを含めて分析データを準備できない場合には、下流及び顧客より「グリーン調達サプライチェーン」から排除され、企業として淘汰されてしまいかねない危険性を含んでいるということになります。

適用除外申請

WEEE&RoHS指令の内容は、現状の技術によっては解決できない場合や経済的に影響が大きい場合など、合理的な理由があれば「適用除外」を受ける道が残されています。適用除外はTAC(技術適用委員会)に対して申請することができます。ただし、TACは4年ごとにWEEE&RoHS指令の内容について技術の進歩などを見極めて改訂を行なうこととしています。

まとめ

注意

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