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環境関連情報

EUにおける環境配慮設計指令(EuP)動向#3

EUでの環境配慮設計の動き

情報発信日:2006-10-30

欧州での環境配慮設計指令の概要

EU域内で流通するエネルギー多消費製品に環境に配慮した設計を要求する「エネルギー消費型製品(Energy Using Products/EuP)のエコデザインに関する枠組み指令」、通称「環境配慮設計指令(EuP指令)案」は2005年7月に「エコデザイン指令(2005/32/EC)」として採択され、すでに8月11日に発効しています。この結果、加盟国は2007年8月11日以前に、同指令を国内法として整備することが求められている状況にあります。

本指令はすべてのエネルギー消費製品を規制の対象とするものではなく、EU域内での流通量、貿易量、環境への影響(エネルギーや水の消費量、廃棄物量、商品寿命など)などを考慮して、メーカが守るべきルールを規定するものです。

また、製品が顧客に使用される期間のエネルギー消費量だけではなく、製品が製造から廃棄される期間内に消費されるエネルギーすべてを考慮したLCAの考えに基づくところが特徴になると思われます。

「エコデザイン指令」自体は特定の製品に特定の規制を課すものではなく、適用が予想されている石化燃料や電力を多く消費するパソコンなどの電子機器、冷暖房器具、照明機器、給湯機、電動機器、OA機器、家庭用電化製品などに対して行われるものと予想されます。ただし、本指令は環境影響に対する一般的な要件を定めるための条件や基準を示す「枠組み指令」であり、この指令に基づく国内法が整備されてもすぐに影響を受けるものではありませんが、次の段階として種々の諮問を経て具体的な対象製品と守るべき事項及び規格が順次策定されてゆくものと思われます。

具体的な環境要件(付則Iに規定)

本指令の付属書Iによる規制の要件を以下に示します。

  1. 材料、エネルギー、水など、その他の資源の消費量
  2. 大気、水流、土壌への排出量
  3. 騒音、振動、放射、電磁界などの物理影響による公害
  4. 廃棄物の産出量
  5. 材料・エネルギーの再利用、リサイクル、リカバリーの可能性
  6. 製品の重量・容積
  7. リサイクル素材からの材料の使用
  8. 製品のライフサイクルを通したエネルギー、水、その他の資源の消費量
  9. 健康・環境に有害と分類された物質
  10. 使用・維持に必要な消耗品の量と性質
  11. 再利用とリサイクルしやすさ
  12. 中古部品の組み込み
  13. 部品および製品全体の再利用・リサイクルを阻害する技術の回避
  14. 製品寿命の延長
  15. 発生する廃棄物・危険廃棄物の量
  16. 大気への排出:温室効果ガス、酸化剤、揮発性有機化合物(VOC)、オゾン層破壊物質、残留性有機汚染物質、重金属、超微粒子など
  17. 水流への排出:重金属、酸素バランスに悪影響を及ぼす物質、残留性有機汚染物質
  18. 土壌への排出(とくに製品の使用段階における危険物質の漏出・流出と、廃棄物として処分される際の浸出の可能性)

今後の予定、見通しなど

JETROの情報によると「今後、欧州委員会が個々の実施規定を策定していくにあたり、EU加盟国政府、メーカや輸入業者、小売業者、労働組合などの産業界(中小企業とクラフト産業を含む)、環境NGO、消費者団体などからバランスよく代表者を選出して意見を諮るため、「諮問フォーラム(Consultation Forum)」を設置することが指令で規定された。諮問フォーラムのメンバーは、2006年3月31日を期限に参加申請を受け付けた最高50名のエキスパートをメンバーとすることが決定されている」とのです。

日本における環境配慮設計制定の動き

欧州での環境配慮設計制定の動きと連動して、日本でも経済産業省が中心になり環境配慮設計基準制定の検討が行われています。詳細については次月以降にお知らせしたいと思います。

情報源・出典・参考情報

注意

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