ホーム > 環境について > 環境関連情報 > EUにおける環境配慮設計指令(EuP)動向#2
情報発信日:2005-06-23
経済産業省は2005年1月27日付で、産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会/第1回製品3Rシステム高度化WGの資料を公表し、そのなかで「製品の環境配慮設計措置に関する国際的な動向について」と題し、現在話題のWEEE及びRoHS指令と同列にあげて、EuP指令についての内容と今後の動向について発表しました。詳細は経済産業省報道資料参照。
また、2005年4月18日付でジェトロ(Japan External Trade Organization、日本貿易振興機構)は、EUにおけるエネルギー使用製品の環境配慮設計に関する枠組み指令(EuP指令)の概要及び今後の動向について以下のとおり、発表しました。
「欧州議会、閣僚理事会、欧州委員会の非公式会合が(2005年)4月6日に開かれ、同指令の修正案について実質的合意が成立した。同指令は今後、欧州議会と閣僚理事会の正式手続きを経て、最終的に採択される見通し。指令案の修正に関する実質合意に基づき、今後、欧州議会と閣僚理事会で正式な手続きを経た後、第2読会後の調停手続きには入らず、6月末には指令が最終的に採択される見通しとなった」。詳細はJETRO資料参照。
EuP指令とは、電気や石化燃料などのエネルギーを使用する製品に対し、エコデザインに関する要求事項を設定するための「枠組み指令」です。製品の開発、生産、ユーザによる使用から廃棄にいたるまでのライフサイクル全体をとおして総合的な環境負荷を低減するため、製品設計の段階から規制しようとするものです。
EuP指令そのものは「枠組み指令」で、「同指令が採択されても、ただちにエコデザインに関する規制が導入されるものではありません。欧州委員会がエネルギーを使用する個別機器ごとに実施対策指令を設定していく際の基本的な考え方やプロセス、さらに実施対策指令のひな型などを規定するものになります。」
EuP指令が採択され個別の製品に対して「実施対策指令」が設定された場合に、どのような影響がどの範囲にまで及んでくるかについては、同指令の対象とする製品が第1条及び第2条の1項、2項に記載されております。
注目されるのは、エネルギーを消費する製品だけでなく、エネルギーを発生、輸送、測定する製品にまで影響が及ぶこと、人や物を輸送する手段である自動車や電車などが除外されていることです。
対象とすべき優先機器例として、暖房と給湯機器、電動器具、照明器具、家電製品、OA機器、消費者向け電子製品、エアコンなどがあげられています。
当工業会会員企業への影響の有無は現時点では不明ですが、「エネルギーを発生、輸送、測定する製品」「エネルギー使用製品に組み込まれる部品で、それ自体でも上市され、単独で環境性能を評価できるものを含む」という表現から、バルブや継手は、ガス、石油、湯などが流れる機器に組み込まれる場合は該当する可能性が高いと推定されますので、今後の動向を注視したいと思います。