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home>環境関連情報>EUの廃棄物枠組み指令とは

EUの廃棄物枠組み指令とは

2021-11-11

~「汚染者負担の原則」と「拡大生産者責任」~

1. はじめに

2021年10月14日付け本コラム「WFDに基づくSCIPデータベース #2~ECAHが運用するSCIPデータベース~」において、製品にSVHC候補物質が含有される場合には、SCIPデータベースにデータを登録する義務があることを述べました。ただし、廃棄物枠組み指令(Waste Framework Directive、以下、WFD)は加盟国に対して国内法の整備を求めるものですので、罰則規定はありません。

WFDは廃棄物をできるだけ再資源化することを目標にしている指令で、ライフサイクルを通じて有害化学物質を含む製品の製造者に対して、「汚染者負担」と「拡大生産者責任」を求めるものです。したがって、WFDは決して「海の向こうの廃棄物の話」ではないと思われますので、今回はこのWFDの概要について、EU委員会の資料を基に解説したいと思います。

注意 本コラムでは廃棄物枠組み指令をWFDと略しますが、一般的には水枠組み指令 Water Framework Directive もWFDと略されますので、混同しないようご注意ください。


図1 WFDにおける生産者・輸入者の義務と責任(筆者作成)

2. WFDの概要

ここでは、EU委員会の資料の資料を引用して、WFDについて解説します。WFDは2008年11月19日に初版が公布され、何度かの改正を経て、現在は2018年5月30日の改正版が運用されています。

(EU委員会資料より引用)
WFDは、廃棄物の定義、及び、リサイクル、回収など廃棄物管理に関連する基本的な概念と定義を設定します。
WFDではいくつかの基本的な廃棄物管理の原則を定めており、これにより廃棄物を管理する必要があります。

  • 人間の健康を危険にさらしたり、環境に害を与えたりすることなく
  • 水、空気、土壌、植物または動物へのリスクをなくし
  • 騒音や臭いによる妨害を引き起こすことなく
  • 田園地帯、または自然が豊かな場所に悪影響を与えることをなくす。

以下、廃棄物が廃棄物でなくなり、二次原料となる時期と、廃棄物と副産物を区別する方法について説明します。指令はまた、「汚染者負担の原則」と「拡大生産者責任」を導入しています。


図2 廃棄物の階層(出典:EU委員会)

廃棄物を防ぐことは好ましい選択肢であり、廃棄物を埋め立て地に送ることは最後の手段であるべきです。
EUの廃棄物管理の基盤は、廃棄物フレームワーク指令で確立された5段階の「廃棄物階層」です。それは、廃棄物の管理と処分の優先順位を確立します。

3. WFDの対象

(EU委員会資料より引用)
この指令の目的を遵守するために、EU諸国は以下の目標を達成するために必要な措置を講じるものとします。

表1 WFDの目標を達成するためにEU加盟国に求める目標・措置

  • 2020年までに、家庭からの廃棄物(紙、金属、プラスチック、ガラスなど)の再利用とリサイクル率を最低50重量%に増やす措置を講じるものとする。
  • 2020年までに、無害な建設廃棄物、解体廃棄物の再利用とリサイクル率、および廃棄物を他の材料に置き換えて埋め戻す作業を含み、その他の材料回収等に対する率を、最低70重量%に増やす措置を講じるものとする。
  • 都市ごみの再利用とリサイクル率を、2025年、2030年、2035年までにそれぞれ最低55重量%、60重量%、65重量%に増やす措置を講じるものとする。

注意1 上記の目標とコンプライアンスを検証するためのルールと計算方法は、委員会決定2011/753/EUに記載されています。
注意2 修正された廃棄物枠組み指令に従った廃棄物に関するデータの計算、検証、および報告に関する追加の規則は、都市廃棄物データ収集に関するガイダンスに記載されています。

4. 有害廃棄物

(EU委員会資料より引用)
有害廃棄物は、非有害廃棄物よりも環境と人の健康に大きなリスクをもたらすため、より厳格な管理体制が必要です。

WFDは、「ゆりかごから墓場まで」、言い換えれば廃棄物の生産から最終処分または回収まで、追及追跡のラベル付け、記録保持、監視、管理を義務とします。また、有害廃棄物を他のカテゴリーの有害廃棄物および非有害廃棄物と混合することも禁止されています。

有害廃棄物と非有害廃棄物の分類は、危険物質と調剤の分類とラベル付けのシステムに基づいています。これにより、同様の原則が材料のライフサイクル全体に適用されます。

注意1 すべての種類の廃棄物(有害物を含む)の分類の詳細については、欧州廃棄物リストを参照してください 。
注意2 家庭用有害廃棄物の個別収集に関するガイドラインは、こちらを読んで下さい。

5. 副産物及び廃棄物の再生基準

(EU委員会資料より引用)
注意 EU委員会資料にある語 “End-of-waste” は、廃棄物を処理して、廃棄物が廃棄物でなくなり再資源化された時点を意味していますが、日本語の対訳がありませんので、ここでは「廃棄物の再生基準」と言うことにします。

WFDは「副産物」を、製造工程において主生産物を生産する結果発生する目的物ではない「物質」または「物体」と定義します。

副産物はさまざまな事業部門から発生する可能性があり、環境への影響は大きく異なります。環境へのダメージやビジネスの不必要なコストを避けるために、副産物を正しく分類することが重要です。

廃棄物の再生基準は、特定の廃棄物が廃棄物でなくなり、製品または二次原料になる時点を指定します。

WFD第6条(1)および(2)によると、一定の特定の廃棄物は、回収作業(リサイクルを含む)を経て、特定の基準に準拠している場合、特に次の場合に廃棄物ではなくなります。

表2 製造工程で発生する副産物や製品廃棄物を処理し、再資源となる定義

  • 「物質または物体」は一般的に対象とする目的に使用されます。
  • 「物質または物体」に対する既存の市場または需要があります。
  • その使用は合法です(「物質または物体」は対象とする目的のための技術的要件を満たし、製品に適用される既存の法律および基準を満たしています。)
  • その使用は、全体的な環境または人間の健康への悪影響につながることはありません。

 

特定の材料に関するこの基準は、委員会によって「comitology」手順を通じて設定されます。高レベルの環境保護と環境的および経済的利益を提供するために、廃棄物の再生基準を設定する義務が導入されました。それらは、法的確実性と公平な競争の場を作り、不必要な管理上の負担を取り除くことによって、EUでのリサイクルをさらに促進することを目指しています。

廃棄物の再生基準(EU委員会資料より引用)
当該廃棄物の再生基準は、合同調査センターによって公開されています。
EU委員会は、優先廃棄物の流れに関する一連の廃棄物再生基準を準備しています。

  • 鉄、鋼、アルミニウムのスクラップ(理事会規則(EU)番号333/2011を参照)
  • ガラスカレット ( 委員会規則(EU)番号1179/2012を参照)
  • 銅スクラップ(委員会規則(EU)番号715/2013を参照)

6. WFDの実施

(EU委員会の“Implementation of the Waste Framework Directive”より)
WFDを含むEU廃棄物法の適切な実施、適用、施行は、EU環境政策の重要な優先事項の1つです。

EU加盟国は、毎年または2年ごとに廃棄物の収集、再利用、リサイクル、および回収の目標の達成を含め、EU廃棄物法の実施について欧州委員会に報告する必要があります。このデータは Eurostatにあります。


図3 廃棄物のイメージ(出典:EU委員会)

WFDの実施に関する2018年度報告書

2018年、欧州委員会は最新の実施レポートを公開しました。このレポートは、都市廃棄物、建設および解体廃棄物、有害廃棄物、廃電気電子機器、包装廃棄物など、いくつかの廃棄物の流れの進捗状況と実装上の課題の概要を示しています。それぞれの改善点を提案します。

当該指令は、RoHS指令・WEEE指令、船舶リサイクル指令、使用済み自動車指令(ELV指令)、包装廃棄物指令など特定廃棄物のレポートとも連動しています。

以下省略(詳細は「廃棄物枠組み指令の実施」参照)

7. まとめ

(1)WFD(廃棄物枠組み指令)は、欧州グリーンディールやREACH規則と連動しており、ECHA(欧州化学品庁)が主管する指令です。
(2)WFDは廃棄物を再処理してできるだけ再資源化することを目的としています。
(3)WFDは製品に有害物質が含有されている場合、再資源化が困難になるため、SVHC候補物質を含有する場合には生産者または輸入者に対して「SCIPデータベースへの登録」を義務化しています。
(4)WFDでは生産者または輸入者に対して廃棄物の「汚染者負担の原則」と「拡大生産者責任」を掲げています。
(5)WFDはEU加盟国に対して国内法を整備するよう求めるものですので、直接生産者または輸入者に対して義務や罰則を科すものではありませんが、これに対応する加盟国の国内法には注意が必要です。
(6)このような廃棄物の再資源化の流れはEUだけではなく、世界的な潮流になりつつありますので、再資源化がしやすく、有害物質を含有しない素材を用いた環境に配慮した設計がますます重要になります。

引用・参考資料

  • Waste Framework Directive (EU委員会)
  • Implementation of the Waste Framework Directive (EU委員会)
  • DIRECTIVE 2008/98/EC OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL (EU官報、2008年11月19日)
  • Guidance on municipal waste data collection September 2016 (EU委員会)
  • Commission Notice Separate Collection of Household Hazardous Waste 2020/C 375/01 (EU官報)
  • JRC Publications Repository End-of-Waste Criteria (EU委員会)
  • Waste – Overview (EU委員会)
  • 欧州(EU)の廃棄物輸出入に関する制度体系について (環境省)
  • WFDに基づくSCIPデータベースとは~ECHA(欧州化学品庁)が整備するSCIPデータベース~ (日本バルブ工業会、2020年9月23日)
  • WFDに基づくSCIPデータベース #2~ECAHが運用するSCIPデータベース~ (日本バルブ工業会、2021年10月14日)

注意

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