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日本版REACH規則「化審法改正」について(その2)

2009年2月24日、閣議決定を経て国会審議へ

情報発信日:2009-03-12

今後の化審法の方向性について

2008年10月末にもレポートしました化審法改正について、2009年2月24日付で環境省は「化学物質の審査及び製造などの規制に関する法律(通称、化審法)の一部を改正する法律案」と題して以下の報道発表を行いました。

-以下、環境省ウェブサイトより引用-

「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律案」を、2月24日(火)に閣議決定し、第171回通常国会に提出することとなりましたので、お知らせいたします。本法律案は、すべての化学物質による人や動植物への悪影響を最小化するため、包括的な管理制度を導入するとともに、化学物質規制の国際整合性を確保することを内容とするものです。

1.改正の背景

近年、国内では、化学物質の安全性の確保を含め、安全・安心についての関心が高まりつつあります。国際的にも、2020年(平成32年)までに、すべての化学物質による人の健康や環境への影響を最小化することが環境サミットで合意され、欧州では新たな化学物質規制が平成19年に施行されました。また、国際条約において、一部の例外用途を除き製造・使用が禁止される化学物質が追加される見込みです。このように、化学物質管理を巡る状況は大きく変化しつつあります。

しかし、我が国では、昭和48年の化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の制定以前から市場に存在する化学物質(既存化学物質)の多くについて安全性評価が未了であるなど、まだ十分な対応をとるには至っておらず、新たな措置を講ずることが必要となっています。

2.法律案の概要

既存化学物質を含むすべての化学物質について、一定数量以上の製造・輸入を行った事業者に対して、毎年度その数量等を届け出る義務を課すこと等により、安全性評価を着実に実施し、我が国における厳格な化学物質管理を推進します。

また、国際条約で新たに規制対象となる物質について、条約で許容される例外的使用を厳格な管理の下で認めるため規制の見直しを行う等、規制の国際整合化を行います。

-ここまで-

法律改正の趣旨と今回のポイント

2008年末に中央環境審議会は環境大臣に対して「今後の化学物質環境対策のあり方」を答申しましたが、この結果をもとに化審法を所管する環境省、厚生労働省及び経済産業省の3省が改正を検討してきました。

改正法案は化学物質管理政策の国際的な目標である「WSSD2020年目標」を踏まえて、EUにおけるREACH規則同様に既存化学物質も含めた包括的なリスク管理制度の導入などをおもな柱としており、改正の趣旨および概要は以下のとおりです。※「WSSD2020年目標」とは、2002年9月に開催された「持続可能な開発に関する世界サミット(WSSD)」において化学物質管理に関する世界共有の中長期目標として合意されたもので、「化学物質が、人の健康と環境への著しい影響を最小化する方法で生産・利用されることを2020年までに達成する」ことを内容としたものです。

-以下、環境省ウェブサイトより引用-

1.法律改正の趣旨

(1) 近年、安全・安心についての関心が高まるなか、国民の化学物質に対する懸念も広がっている。国際的にも、すべての化学物質による人及び環境への影響を最小化することが環境サミットで合意されている。その後、欧州ではすべての化学物質を対象とした規制(REACH規則)が平成19年に施行されるなど、化学物質管理を巡る状況は大きく変化しつつある。

(2) 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(以下「化学物質審査規制法」という。)は、昭和48年の制定以降に新たに流通した化学物質については厳しい事前審査を実施してきた。他方、同法制定以前から市場に存在する化学物質(以下「既存化学物質」という)については、国自ら安全性評価を行い、必要に応じて同法による規制措置を講じてきたが、すべての物質を評価するには至っていない。

(3) そのため、既存化学物質の製造・輸入を行う事業者に毎年度その数量の届出を義務づけるとともに、必要に応じて有害性情報の提出を求めること等により、安全性評価を着実に実施し、我が国における厳格な化学物質管理をより一層推進する必要がある。また、今次改正によって格段に集積される情報を関係省庁間で共有し、各法令に基づく化学物質規制をより効果的なものとする。

(4) 加えて、「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」の規制対象物質が追加予定であるが、国内実施法である化学物質審査規制法では、条約で許容されている例外的使用に対応した規定がなされていない。そのため、このような国際的な不整合を解消し、合理的な審査・規制体系を構築する。

2.法律改正の概要

(1) 既存化学物質も含めた包括的管理制度の導入

(2) 流通過程における適切な化学物質管理の実施

特定化学物質及び当該物質が使用された製品による環境汚染を防止するため、取扱事業者に対して、一定の取扱基準の遵守を求めるとともに、取引に際して必要な表示を行う義務を課す。

(3) 国際的動向を踏まえた審査・規制体系の合理化

今後ストックホルム条約の規制対象となる物質について、条約で許容される例外的使用を厳格な管理の下で認めるため第一種特定化学物質に係る規制の見直しを行う等、規制の国際整合化を行う。

-ここまで-

今回の化審法改正のポイント

(1) 既存化学物質対策

(2) 国際的な整合性の確保

サミットでの合意事項の遵守やストックホルム条約など国際条約における追加物質についての厳格な管理下での使用・規制。

参考文献及び引用先

注意

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