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home>環境関連情報>動物由来感染症について #7

動物由来感染症について #7

2020-06-17

~新型コロナウイルス感染症に関する正しい情報②~

はじめに

2020年4月7日付けで、7都道府県に対して新型コロナウイルス感染症拡大防止のための緊急事態宣言が出されました。4月11日には全国の1日の感染者数が720人にも達したため、4月16日にはこの緊急事態宣言は全国に拡大されました。しかし、我が国における新型コロナウイルス感染症は他国のような「感染爆発」や「医療崩壊」を起こす寸前で留めることができ、5月14日には、39県で非常事態宣言が解除、5月25日には首都圏や北海道でも解除されました。
しかしながら、未だ感染者がゼロになったわけでもなく、新型コロナウイルスが消滅したわけではありませんので、十分な注意を払った行動の継続が必要であり、不用意な行動は再び感染の拡大を招きかねないと危惧される状態が継続しています。

また、世界的には依然としてパンデミック(感染爆発)の状態にあり、先月分の本コラムを書き終えた5月11日現在で感染者数410万1,060人、死者数は28万2,694人でしたが、当月分の本コラムを書き終えた6月15日現在、感染者数は789万3,700人、死者数は43万2,921人と北中南米やインド、ロシアなどを中心に増加の勢いは衰えていません。

私事ですが、札幌に住む筆者と同年齢の友人は3月6日に「風邪を引いたらしく突然40.5℃の高熱が出た。肺を少しやられているらしく、抗生物質を処方された」と連絡がありましたが、翌日3月7日に入院するも、治療を施す間もなく亡くなってしまいました。さらに身近な所では、同じスポーツジムに通っていた顔見知りが、4月に感染し急逝してしまいました。

この新型コロナウイルスは感染しても無症状の人が多くいます。感染しても、少しの発熱があっただけで自然に治癒してしまう人もいます。重症化し人工呼吸器を装着したり、ECMO(Extracorporeal membrane oxygenation:体外式膜型人工肺)を装着したりして、長期の入院が必要となる人もいます。さらには、私の友人や知人のように、極めて短期間に多臓器不全に陥り亡くなってしまう人もいます。

今回は、環境問題から少し逸脱したテーマになるかと思われますが、感染症とは何か、感染症に罹患した場合身体の中で何が起こるのか、どのように回復するのか、その手段であるワクチンや治療薬など、何となく知っているけれど、詳しくは知らない事柄について、この機会に説明したいと思います。

感染症とは

東京都福祉健康局の資料によると、「感染症とは細菌、真菌(カビ類など)、ウイルス、寄生虫、などの病原体が、空気、食べ物、水、動物、昆虫、人などを介して人に感染し、さまざまな症状を引き起こす疾患の総称」と説明しています。

三重県感染症情報センターによると、「感染症とは、ウイルスや細菌などの病原体が体内に侵入して増殖し、発熱や下痢、咳等の症状がでることをいいます。感染症には、人から人にうつる伝染性の感染症のほかに、破傷風やツツガムシ病などのように人から人にはうつらず、動物や昆虫から、あるいは傷口から感染する非伝染性の感染症も含まれています。感染してもほとんど症状が出ずに終わってしまう症例もあれば、一度症状がでるとなかなか治りにくく、時には死に至るような感染症もあります」と説明しています。

※筆者注1) 微生物には、酵母菌、コウジカビ、乳酸菌など人間にとって有用なもの、何も影響を与えない無害なものもありますが、感染症を引き起こす種類は病原性微生物といいます。ウイルスについても、人間には感染しない種類も多くあります。

感染経路

表1 病原体が人体に侵入する経路と色々な感染症

ヒトからヒトへの感染 1)直接または間接的な接触や輸血などにより感染するもの ノロウイルス症、インフルエンザ、大腸菌、B型肝炎、C型肝炎、COVID-19、梅毒、淋病など
2)咳やくしゃみなどによる飛沫や空気中に漂ったエアロゾル状病原体を吸い込んで感染するもの  インフルエンザ、マイコプラズマ、風しん、百日咳、COVID-19等
動物や昆虫から人へ感染するもの ペット、野生動物に噛まれる、引っ掻かれる。蚊やダニなどに噛まれたり刺されたり、或いは野生動物を生で食べるなどにより感染するもの 狂犬病、トキソプラズマ症、オウム病、サルモネラ菌症、日本脳炎、マラリア、デング熱、ペスト、炭疽病、
土や汚水の中などにいて、傷口などから感染するもの 小さな傷口から寄生虫や病原性微生物やウイルスが体内に侵入し感染するもの 破傷風、Q熱、レジオネラ症、住血吸虫症、レプトスピラ症、糞線虫症など
食べ物や飲み物から感染するもの 腐敗した食べもの、病原体を含む水などの飲料を摂取する事により感染するもの A型・E型肝炎、伝染性下痢、ポリオ、細菌性赤痢、腸チフス・パラチフス、コレラ、アメーバ赤痢、ランブル鞭毛虫症、回虫症、鞭虫感染など

(東京都福祉健康局/三重県感染症予防センター/厚生労働省などの資料から筆者が作成)

病原体が体内に侵入した場合

病原体が体内に侵入した場合、必ずしも100%罹患(りかん)して症状が出るとは限りません。


図1 病原体が体内に侵入すると(出典:東京都福祉健康局資料を筆者がアレンジ)

(1)免疫反応により排除
動物の体内には異物や病原体が侵入してきた場合に、防御機能として「免疫機能」が備わっています。
体内に病原体や異物が侵入して来た場合、健常者においては異物や病原体の侵入を一早く察知して、これをたちどころに排除します。

(2)感染/保菌・症状なし
体力が落ちていて免疫機能が低下していたり、病原体の毒性が強かったりした場合には、「感染」した状態になります。いわゆる戦争状態ですが、病原体である微生物やウイルス等が体内(臓器や血液中)に持続的に保有状態にありながら、感染症状を示さず健康状態にあるヒトを保菌者(ウイルスの場合はウイルスキャリアまたは単にキャリア)と呼ばれ、休戦状況にあることが間々あります。

(3)感染/発症・症状あり
一方、病原体と免疫作用が全面戦争状況になると、さまざまな症状を呈すことになります。通常の場合であれば、外部からの投薬や治療の助けを受けた免疫作用が病原体を駆逐/消滅させることができますが、高齢者、基礎疾患を有している場合、疲れた状況にあるなど免疫機能が低下している場合、あるいは侵入した病原体量が多かった場合、病原体の毒性が強かった場合などでは、病原体によって各臓器や器官に多大な損傷を受けて最悪の場合には死に至る場合もあります。また後述しますが、病原体に対する過剰な防御作用により正常な細胞や臓器を破壊してしまう「免疫の暴走」や、病原体が侵入して来ているにも関わらず免疫機能を発揮しない免疫不全なども生じる場合があります。

感染によって現れる症状

感染によって現れる症状は病原体の種類や感染部位によって異なります。一般にウイルスは、ウイルス表面の「鍵」となる部分と生体の臓器や器官にある「鍵穴」に当たる部分が合致した部分から侵入します。侵入した部位に症状が出ますが、主なものは以下のとおりです。

(1)発熱(認められない場合もある)
(2)頭痛、意識障害、結膜充血、リンパ節痛、鼻水、鼻づまり
(3)咳嗽(がいそう:咳き込むこと)、喀痰、息苦しさ、喘鳴(ぜんめい:呼吸をする時にゼイゼイと言う音)
(4)腹痛、嘔吐、下痢、便秘、排尿痛、背部痛
(5)発疹、腫脹(腫れる)、疼痛、悪寒、震え

新型コロナウイルスのように、飛沫感染の場合は最初に鼻やノドから侵入しますので、鼻水、鼻詰まり、喉の痛み、臭覚味覚異常などと同時に、多くの場合は発熱を伴います。さらに、気管や肺胞にまで侵入した場合には、咳が出たりします。

生体の防御機能としての免疫と作用機序

 生体に細菌や真菌などの病原性を持った微生物が侵入した場合には、リンパ球以外の白血球であるマクロファージや顆粒球などが出動して、病原体を取り込みます。その結果、病原体や白血球の死骸は膿となって排出され、病原体は排除されます。


図2 免疫に関わる細胞と蛋白質(筆者が種々資料より作成)

一方、ウイルスのような血液の流れの中にあったり、細胞に入り込んだりするような病原体にはリンパ球を除く白血球による免疫作用では対応できません。

このような場合には第二の免疫防衛線が作用し、リンパ球B細胞が血漿中に免疫グロブリン(抗体)を生成し放出します。この抗体はウイルスなどとの抗原と結び付きます。これをリンパ球キラーT細胞が破壊します。

これら、病原体と免疫作用の戦いの結果として種々の症状が現れます。

図3 細菌や真菌など微生物が侵入した場合の免疫作用(種々資料より筆者が作成)

図4 ウイルスのような血中にあったり、細胞に侵入したりする病原体への対応(種々資料より筆者が作成)

図5 ウイルスのような病原体(抗原)にはリンパ球B細胞が対応し抗体を生成(種々資料より筆者が作成)

図6 ウイルスの侵入を許した細胞はリンパ球キラーT細胞が破壊(種々資料より筆者が作成)

図7 二つの免疫作用(種々資料より筆者が作成)

新型コロナウイルスは“SARS-COV-2”と命名されたように、当初はSARSウイルスが変異した、重篤な肺炎を伴う感染症と思われていました。
しかし、感染者が増えるとともに、SARSとは違うこの感染症の特徴がわかってきました。

表2 SARSとCOVID-19の異なる特徴

重症急性呼吸器症候群(SARS) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
・感染力は中程度
・感染すると、ほとんどの場合は発症する
・感染すると多くの場合は重篤な肺炎を発症する
・感染すると多くの場合は発症するので、感染者の発見が容易
・感染力は強い
・感染しても発症するまでの期間が長い(最大2週間程度)
・感染しても無症状、軽症で治癒する場合が多い
・無症状、軽症でも感染力を保有
・気管、気管支、肺などの呼吸器以外の肝臓、腎臓、血管などの臓器や器官にも感染する
・感染しても無症状者が多いため、感染者の発見が遅れる

COVID-19新型コロナウイル感染症が急速に世界中に広まった原因は、感染力が極めて強い一方、感染しても無症状であったり軽症で治癒してしまったりする人も多く、無症状や軽症でも強い感染力を持っていることと思われます。

特に20代~30代の若年者は感染しても症状が出づらい反面、高齢者や糖尿病、高血圧、心疾患などの基礎疾患を有する人は重篤化しやすい傾向があります。

そして、多くの研究者が指摘するこの感染症の怖い点は、感染しても無症状や軽症で治癒してしまう場合が多い反面、極めて短期間に重篤な状況に陥り、回復しても多くの後遺症が出て、最悪な場合には死に至ることがあるという点にあります。

これは、この感染症が急激に複数の臓器や器官(特に血管に感染し血栓を作ることによる心筋梗塞や脳梗塞を発症)にウイルスが増殖することによって免疫を制御するサイトカインという物質が大量に生成し、正常な細胞まで破壊してしまう免疫の暴走(サイトカインストーム)が起こることが原因だとわかってきています。

ワクチンと治療薬

現在、新型コロナウイルス感染症を治療する薬やワクチンは未だ開発されていませんので、重症化した場合でも、人工呼吸器の装着など対処療法を施し、患者自身の免疫力で自然治癒を待つしかない状態にあり、治療薬やワクチンの登場が待たれています。

ワクチンとは、対象となるウイルスを無毒化ないしは弱毒化させた状態のもので、これを発症前に体内に入れておくことによって、抗体を体内に生成させ万一ウイルスが侵入してきた場合には、迅速な免疫反応を促すことができます。

一方、抗ウイルス薬は、対象となるウイルスが体内に侵入してきた場合に、遺伝子をコピーするのを阻害する薬剤、及び、免疫の暴走を抑制する免疫抑制剤などの開発が必要となります。

まとめ

(1)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、動物由来のウイルスが人に感染し、これがヒトからヒトへ感染することによって、世界に急速に拡大した。
(2)COVID-19は2002年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)と同種のウイルスと思われ“SARS-COV-2”と命名されたが、SARSと異なり、感染力は強いものの、感染しても大半は無症状であったり、軽症であったり、また感染してから発症するまでの潜伏期間が長く、それらの状況でも感染力を有しているため、感染者の発見が遅れて爆発的に感染が拡大している。
(3)感染者の多くが無症状や軽症である反面、高齢であったり基礎疾患を有していたりする場合には、極めて短期間に重篤な状況に陥ることがある。まだ有効な治療法や治療薬がないため、対処療法で自然回復を待つしかない。

今回、環境問題からやや道を踏み外した話題になりましたが、感染症と感染症における生体の防御作用である免疫機能について書いてみました。
なお、新型コロナウイルスは紫外線と高温多湿下で急速に活性を失うという研究結果が米国で出されました。夜の街を避け、明るい場所での行動の方が安全と言えますが、これからは暑くなりますので、熱中症にも注意が必要です。
世界での感染は南北アメリカ大陸、中米、インド、ロシアなどにおいて衰えを見せていません。日本においては、非常事態宣言は終了しましたが、まだまだ安心して行動する状況には程遠い感がありますので、「三密」を避けた慎重な行動を当面継続されるのが良いかと思います。

引用・参考資料

  • 感染症って? (三重県感染症予防センター)
  • 感染症の基礎知識と予防策 (東京都福祉健康局健康安全部感染症対策課、2019年10月8日)
  • 動物由来感染症 (厚生労働省)
  • 海外で安全に過ごすために~感染症についての情報~ (厚生労働省検疫所)
  • 海外生活と水 (一般財団法人海外法人医療基金)
  • 私たちの体を守る免疫システムその良い面と悪い面 (東京医科歯科大学市民講座資料)
  • Inflamed brains, toe rashes, strokes: Why COVID-19’s weirdest symptoms are only emerging now (National Geographic、2020年5月21日)
  • SARS-CoV-2の抗体生成は通常と異なる (日経メディカル、2020年5月20日)
  • 新型コロナウイルスってどんな特徴があるの? (日経メディカル、2020年3月27日)
  • SARSとCOVID-19のウイルスはどこが違う? (日経メディカル、2020年5月6日)
  • 新型コロナウイルス感染症はなぜ厄介か? 季節性インフルエンザやSARSとの違い (Yahooニュース、消化器外科医・山本健人、2020年4月29日)
  • 新型コロナ、最も感染力が強いのは発症時か WHOが指摘 (Yahooニュース、ロイター・WHO 、2020年6月10日)
  • 新型コロナウイルス、太陽光で急速に不活性化 米研究 (AFP、2020年4月24日)

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