第29次REACH規則SVHC候補物質が追加　#25

～SVHC候補物質として2物質が追加され235物質に～

2023年7月7日

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1.　はじめに

ECHA（欧州化学品庁）は2023年6月14日付けで、“Candidate List of substances of very high concern for Authorisation”（高い懸念のある認可対象候補物質「SVHC候補物質」のリスト）を更新し、新たに2物質を追加しました。これにより、2023年6月14日現在、SVHC候補物質は235物質（群）となりました。

2.　第29次REACH規則の新規追加SVHC候補物質

今回追加されたSVHC候補物質は以下のとおりです。

1	物質名	英名	Diphenyl(2,4,6-trimethylbenzoyl)phosphine oxide
		和名	ジフェニル－2,4,6－トリメチルベンゾイルホスフィン＝オキシドまたは、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド
	CAS RN		75980-60-8
	物質の詳細		ECHA資料（Substance Name: Diphenyl(2,4,6-trimethylbenzoyl)phosphine oxide）
	構造式		出典：ECHA
	収載理由		生食毒性（第57条(c)）
	主な用途など		紫外線増感剤、インクやトナーの原料、塗料や写真仕上げ等の光重合開始剤繊維、ヘルスケア製品、おむつ、食品包装や玩具などの製品における添加剤など。
	備考		・化審法：旧第二種監視化学物質・安衛法：新規名称公表化学物質・米国TSCAインベントリ収載、flag：PMN ・韓国：化評法（K-REACH）：既存化学物質・台湾：TCCSCA/OSHA：既存化学物質その他出典：製品評価技術基盤機構NITE 化学物質総合情報提供システム（NITE-CHRIP）
2	物質名	英名	Bis(4-chlorophenyl) sulphone
		和名	4, 4’-ジクロロジフェニルスルホン
	CAS RN		80-07-9
	物質の詳細		ECHA資料 (Substance Name: Bis(4-chlorophenyl) sulphone)
	構造式		出典：ECHA
	収載理由		vPvB（第57条(e)）
	主な用途など		染料や顔料の中間体、医薬品や補助剤の中間体、ポリマーやゴムの中間体、ふっ素樹脂添加剤
	備考		・化審法：既存化学物質・食品衛生法：規格基準告示別表第1第1表（3）基ポリマー（微量モノマー）・米国TSCAインベントリ収載、flag：なし・韓国：化評法（K-REACH）：既存化学物質・台湾：TCCSCA/OSHA：既存化学物質その他出典：製品評価技術基盤機構NITE 化学物質総合情報提供システム（NITE-CHRIP）

3.　まとめ

（1）このリストに収載された物質を使用する場合、企業は、これらの化学物質のリスクを管理し、顧客や消費者にそれらの安全な使用に関する情報を提供する責任がある。
（2）今回の2物質はいずれもポリマーやゴムなどの添加剤や中間体など当工業会に影響を及ぼす可能性は低いと思われるが、No.2の物質はふっ素樹脂の添加剤として利用される場合があるとの情報があり、確認を要する。
（3）今回の2物質は、ECHAのウェブ上の問題なのか、本来のリストではなく、「付表の様な場所」に収載されているが、技術的な問題が解決すれば本来のリストに収載するとしている。

引用・参考資料

ECHA adds two hazardous chemicals to Candidate List　（ECHA、2023-6-26）
Candidate List of substances of very high concern for Authorisation　（ECHA、最終閲覧日2023-6-26）
Update of the Candidate List – 14 June 2023　（ECHA, 2023-6-26）

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