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home>環境について>環境関連情報>化学物質規制・管理>米国TSCAによる5種のPBT物質規制

米国TSCAによる5種のPBT物質規制

2021-09-11

~TSCA第6条(h)項に基づく規制とは~

1. はじめに

EPA(米国環境保護庁)は、2021年3月8日付けで有害物質規制法(TSCA)に基づき、2021年1月6日に発行された官報「持続性、生物蓄積性および毒性を有する5種類の化学物質(PBT)に関する最終規則」に係る追加情報を収集するために、60日間(2021年5月17日まで)のパブリックコメント期間を設けることを発表しました。

これは、TSCA第6条(h)項がEPAに対し、「管理者が化学物質によって提示されると判断した健康または環境への傷害のリスクに対処し、実行可能な範囲で物質への暴露を減らす」という規則を提案することを要求しているためで、2019年6月22日から18ヶ月以内に最終規則を定めるとしています(出典:EPA)。

今回は、この機会にTSCA第6条(h)項と今回規制対象となった5種類のPBT物質に関して解説します。

2. TSCA第6条とは(出典:EPA)

TSCAは2016年6月に大改正が行われました。改正前にはアスベストやPCBなど国家的に懸念される有害化学物質を規制するもので、EPAに対して以下の行動のうち1つまたは複数を選択する限定的な権限が与えられていました。

(1)商取引における製造、処理、または流通の禁止または制限
(2)特定の使用または設定された濃度を超えることの禁止または制限
(3)使用、商取引での配布、または廃棄に関して、最小限の警告と指示の要求
(4)記録管理またはテストの要求
(5)商業的なあらゆる使用法の禁止または規制
(6)廃棄のあらゆる方法の禁止または規制
(7)製造業者または加工業者に対し、販売業者に不当なリスクを通知し、必要に応じて製品を交換または再購入の指示

2-1. TSCA改正後の主な改正・追加

TSCAは2016年に大改正が行われた以後、EPAが全ての管理者となり、種々の禁止や規制権限を与えました。

(8)EPAに健康や環境への影響を与える化学物質の規制権限を付与

TSCA第6条(h)項により「TSCA改正法施行日より3年以内に、EPAが管理者として『化学物質によってもたらされる』と判断した健康または環境への障害リスクに対処し、実行可能な範囲でその物質への暴露を減らすための規則を提案すること。その提案から18ヶ月以内に最終規則を第 6 条(a)に基づき公布すること』を要求する。※今回の5種類のPBT物質規制はこの流れによるものと言えます。

(9)メチレン塩化物の規制

2019年3月15日、EPAはTSCAの第6条に基づいて、消費者が使用する塗料およびコーティングの除去における塩化メチレンによってもたらされる不当なリスクに対処するための最終規則を発行。
※その他、省略

3. 5種類のPBT物質について

本コラム2020年12月7日付け「米国への化学物質規制に配慮した輸出への注意~TSCA規制対応の実務~」で説明していますが、TSCAの基本となるインベントリ(EPAに登録された既存化学物質一覧)に各種フラグ(Flag)が付与されている場合には、種々の規制を受けることを示し、フラグ“R”が付された物質が“PBT物質”です。以下、5物質の詳細を示します。

1 英名 Decabromodiphenyl ether(DecaBDE)
和名 デカブロモジフェニルエーテル 略名:decaBDE
CAS RN 1163-19-5
主な用途 繊維製品、ポリスチレン・ABS樹脂・ポリエステル等の難燃剤
備考 化審法:第一種特定化学物質、既存化学物質、旧第二種監視化学物質
大気汚染防止法:有害大気汚染物質
ストックホルム条約(POPs条約):附属書A(各締結国は生産・使用・輸出入の廃絶の措置を講じる必要等がある物質)
REACH:高懸念物質(SVHC)
米国:TSCA:有害な化学物質及び混合物の規制(第6条)
韓国:化評法(K-REACH)/化管法:有害化学物質、重点管理物質、既存化学物質
台湾:TCCSCA/OSHA:既存化学物質、毒性化学物質
その他省略
2 英名 Phenol, isopropylated phosphate(3:1)(PIP(3:1))
和名 リン酸トリス(イソプロピルフェニル) 略名:PIP(3:1)
CAS RN 68937-41-7
主な用途 PVC等の難燃剤
備考 食品衛生法:規格基準告示別表第1第2表 添加剤
米国:TSCA:有害な化学物質及び混合物の規制(第6条)
韓国:化評法(K-REACH): 既存化学物質
台湾:TCCSCA/OSHA:既存化学物質
3 英名 2,4,6-Tris(tert-butyl)phenol(2,4,6-TTBP)
和名 2,4,6-トリ-tert-ブチルフェノ-ル 略名:2,4,6-TTBP
CAS RN 732-26-3
主な用途 ガソリン、燃料油、潤滑油用の添加剤(酸化防止剤)
備考 化審法:第一種特定化学物質、既存化学物質
水質汚濁防止法:指定物質
米国:TSCA:有害な化学物質及び混合物の規制(第6条)
韓国:化評法(K-REACH): 既存化学物質
台湾:TCCSCA/OSHA:既存化学物質
4 英名 Hexachlorobutadiene(HCBD)
和名 ペンタクロロチオフェノール 略名:PCTP
CAS RN 133-49-3
主な用途 ゴム部品の剛性率向上のための添加剤
備考 化審法:既存化学物質
米国:TSCA:有害な化学物質及び混合物の規制(第6条)
韓国:化評法(K-REACH): 既存化学物質
台湾:TCCSCA/OSHA:既存化学物質
5 英名 Pentachlorothiophenol(PCTP)
和名 ヘキサクロロブタジエン 略名:HCBD
CAS RN 87-68-3
主な用途 ゴム化合物を含む化学物質中間体、溶媒
備考 化審法:第一種特定化学物質、既存化学物質
安衛法:名称等を表示し、又は通知すべき危険物及び有害物
ストックホルム条約(POPs条約):附属書A(各締結国は生産・使用・輸出入の廃絶の措置を講じる必要等がある物質)
米国:TSCA:有害な化学物質及び混合物の規制(第6条)
中国:危険化学品目録(2015版)
韓国:化評法(K-REACH)/化管法:有害化学物質、重点管理物質、既存化学物質
台湾:TCCSCA/OSHA:既存化学物質、毒性化学物質

注)各物質は、物質単独、成形品、混合品などの使用形態、制限量などごとに、禁止・制限などの適用開始年月日が定められていますので、詳細はEPAwebサイトで確認できます。

4. まとめ

(1)2016年に大改正されたTSCA(米国有害物質規制法)はEPA(米国環境庁)が管理者となり、生体や環境に悪影響を与える有害化学物質の使用制限や規制に関する権限を付与された。
(2)TSCAではEPAに届出のあった化学物質は全て「インベントリ」に収載され、既存化学物質として扱われ、届出のない化学物質は新規化学物質として扱われる。ただし、天然由来の物質は既存物質として扱われる。
(3)インベントリに収載された物質には、審査前物質、制限/規制物質などに対応してフラグが付与される。
(4)インベントリに“R”が付された化学物質はTSCA第6条の「リスク管理規則の対象」となることを示す。
(5)特にTSCA第6条(h)項には「TSCA改正法施行日より3年以内に、EPAが管理者として『化学物質によってもたらされる』と判断した健康または環境への障害リスクに対処し、実行可能な範囲でその物質への暴露を減らすための規則を提案すること。その提案から18ヶ月以内に最終規則を第 6 条(a)に基づき公布すること』を要求するとあり、今回はこれに従い、PBT(持続性、生物蓄積性および毒性を有する化学物質)5物質に関する最終規則が2021年1月6日に定められたが、追加情報収集のため、EPAは2021年3月8日付けで60日間のパブリックコメントを求め、規則の改正などの必要情報収集を行うとしました。これはPIP(3:1)の規制開始が公告から「60日間では準備期間が短すぎる」との業界からの要望が強く、PIP(3:1)については、2021年3月8日の規制発効日に180日間のノーアクション保証(No Action Assurance)を公告しており、60日間のパブコメの募集も追加された。
(6)5物質のうち、2物質はストックホルム条約の「製造/使用禁止、廃絶」物質。
(7)5物質には個別に使用形態、使用量、使用目的別に規制開始年月日が定められている。詳細はEPAwebサイト

引用・参考資料

  • Persistent, Bioaccumulative, and Toxic (PBT) Chemicals under TSCA Section 6(h) (EPA、2021年3月)
  • Actions under TSCA Section 5 (EPA、2021年6月17日)
  • Regulation of Chemicals under Section 6(a) of the Toxic Substances Control Act (EPA)
  • Public Comment Period on PBT Rules and No Action Assurance (EPA、2021年3月)
  • EPA Issues Final TSCA Section 6(h) Rules for Five PBT Chemicals (TSCAblog、2021年1月6日)
  • EPA Meets Another Lautenberg Deadline: Proposes Persistent, Bioaccumulative, and Toxic Chemicals Rule under the Toxic Substances Control Act (2019年6月21日)
  • chemSHERPA管理対象物質Ver2.02.00説明書 (chemSHERPAnet、2020年7月)
  • Vol. 11 米国 EPA が提案する 5 種の PBT 物質に対するリスク管理とは (NITE 化学物質管理センター、2019年7月、NITE(製品評価技術基盤機構))
  • TSCA規則(米国EPA)規制物質の分析 (化学物質評価研究機構)
  • TSCA PBT PIP(3:1)の動向 (一般社団法人東京環境経営研究所)
  • NITE―CHRIP (製品評価技術基盤機構)
  • 米国への化学物質規制に配慮した輸出への注意~TSCA規制対応の実務~ (日本バルブ工業会、2020年12月7日)

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