WHO飲料水水質ガイドライン第4版(1)
2011年6月27日付けにて公表
情報発信日:2011-08-25
はじめに
WHOは2011年6月27日付けでGUIDELINES FOR DRINKING-WATER QUALITY (GDWQ:飲料水水質ガイドライン)の第4版を公表しました。GDWQは世界各国における水道法や飲料水水質基準の原点となるものであり、従来は10年に一度の見直ししか行われなかったため、毎回大幅な改訂があり、この改訂は各国水道関係者の注目を集めるものでした。しかし2004年の第3版改訂以降は、毎年専門家会議が行われ、逐次改正が行われるようになったことや、第4版はすでに2007年5月に行われた第4版のための専門家会議で改訂内容は決定しており、2009年度に公表される予定が遅れていたためか、今回は特にプレス発表もなかったようです。
GDWQ第4版の概要
GDWQ第4版は全12章441ページ、付属書1〜7まで68ページ、インデックス1ページの全518ページから構成されています。
第1章 序章
- 般的な考慮点と原則
- 飲料水安全管理での役割と責任
- ガイドラインをサポートする資源など
第2章 ガイドラインを実行する上での概念上のフレームワーク
- 健康ベースの目標
- 水安全計画
- システム評価とデザイン
- 監視
- 飲料水水質の確認
- 特別な一番の関心事項
- 開発途上国の飲料水水質基準
- 飲料水基準とそれを支える方針とプログラム
第3章 健康を基本とする目標(HBT)
- 健康ベースの目標をセットすること
- 障害補正生命年、許容できる病気の負担とリスクの参照レベル
- 健康ベースの目標のタイプ
第4章 水安全計画
- システム評価とデザイン
- 操作上のモニタリングと維持している制御
- 確認
- 配管給水システムの管理手続き
- コミュニティと家庭の給水の管理
- ドキュメンテーションとコミュニケーション
- 計画的なチェック
第5章 サーベイランス
- アプローチのタイプ
- アプローチを特定の状況に適応させること
- 供給の適切性
- 計画と実施
- 報告と対話
第6章 特定の状況でのガイドラインの適用
- 気候変動、水不足と多雨量
- 降水量
- 供給水
- 原水供給
- 淡水化システム
- 二重管給水システム
- 非常事態と災害
- 一時的な給水
- 建物
- ヘルスケア施設
- 旅行者のための安全な飲料水
- 航空機と空港
- 船舶
- パックされた飲料水
- 食料生産と処理
第7章 微生物学的観点
- 飲料水と関連した危険な微生物
- 健康ベースの目標セッティング
- 病原体の発生と処理
- 微生物モニタリング
- 糞便の指標生物の探知の方法
- 微生物水質問題と非常事態に応じて地域活動を確認すること
第8章 化学的観点
- 飲料水の化学的危険性
- 化学ガイドライン値の起源
- 分析的達成
- 処置
- 個々の化学製品のためのガイドライン値(ソース・カテゴリーによる)
- 水処理または、飲料水と接触がある材料から使われる化学物質
- 新しい懸念化学物質
- 公衆衛生目的のために使われる水の中の農薬
- 化学水質問題と非常事態に応じて地域活動を確認すること
第9章 放射線学的観点
- 放射線被曝と健康影響
- 閾値とガイダンス・レベルのための正当性
- 溶かされた放射性核種のためのモニタリングと評価
- 一般に飲料水で見つかる放射性核種のためのガイダンス・レベル
- 分析法
- 再測定
- ラドン
- リスクコミュニケーション
第10章 許容性面: 味覚、匂いと外観
- 生物学的な派生汚染物質
- 化学的な派生汚染物質
- 味覚、臭気と外観の処置
- 温度
第11章 微生物のデータシート
第12章 化学物質のデータシート
- 飲料水の中の化学汚染物質
- 農薬が、飲料水源と容器を生物的汚染制御するために使われます
附属書1 ガイドラインへの解説文書
附属書2 引用文献
附属書3 化学的な概要表
付属書4 分析法と達成の可能性
- 分析法
- ガイドライン値が規定された化学製品のための分析的達成の可能性
附属書5 処理方法と性能
- 処理方法
- ガイドライン値が規定された化学製品のための処理性能
- 水処理と給水に使用される金属の腐食
附属書6 放射性核種に関する支える情報
- 飲料水の放射性核種のためのガイダンス・レベル
- 放射性核種に関する詳しい引用
- 分析法に関して詳しくは引用と放射性核種のための処置技術
附属書7 飲料水品質ガイドライン第4版の発展の誘因
まだ精読はしていませんが、内容は概ね「2007年5月に行われた第4版のための専門家会議での決定事項」に沿ったものになっていると思われます。
まとめ
次回、第8章の化学物質規制、特に「水処理または、飲料水と接触がある材料から使われる化学物質」「新しい懸念化学物質」について詳細な報告を行いたいと思います。
引用・参考資料
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