ホーム > 知ってなるほどバルブと水栓 > 環境関連情報 >世界の水資源と水危機(その1)
情報発信日:2009-04-07
石油資源を巡って争いが起きた20世紀に対して21世紀は水資源を巡って争いが起こると言われています。地球は「水の惑星」とも言われるほど多くの水が存在していますが、その97.5%は海水であり人間が直接利用することが出来ません。残りの2.5%の淡水も霧、永久凍土、氷河、地下水(大深度を含む)など利用しにくいものであり実際に人間が容易に利用できる淡水は河川や湖沼など全体のわずか0.3%に過ぎません。
一方、1900年から1995年までに世界の人口は2倍に増えましたが水の消費量は6倍に達しています。2009年現在の世界の人口は67億人と推定され、更に増加を続けています。「地球上の水は70億人分しか無い」と言われており、水の偏在によって、既に4億5,000万人もの人々は十分な水を得ることが出来ていません。またこのまま人口の増加と水の消費が拡大して行けば世界の人口の2/3は慢性的な水不足に直面すると推定されます。
この様な状況において、このほど国連環境計画(The United Nations Environment Programme、以下「UNEP」と略)がVital Water Graphicsと題する世界の水資源とその問題に関するレポートを発表しました。このレポートはグラフや絵を多く用いて大変判り易く世界の水問題について説明をしています。本レポートではVital Water Graphicsの内容の概要を紹介したいと思います。
<以下、内容を仮訳して引用します。>
国連環境計画(UNEP)は、過去30年間において、世界的な水資源の使用と管理に関する情報を評価・モニターする活動の中心にありました。UNEPはパートナーと連携しているセンターと協力し世界的な水資源データの照合と分析を行っています。
世界的な水の使用に関する総合的なデータベースを構築するために協調して努力しているにも関わらず利用出来る情報の多くに隙間が残ります。幾つかのプロジェクトとプログラム(中でも、「海洋環境の陸上活動からの保護に関する世界行動計画(GPA/LBA)」、「地球環境監視システム/水質監視計画(UNEP-GEMS/Water)」、および、その他の国連機関やパートナーによる淡水/沿岸水/海水を扱ったプログラム)では、その隙間を埋めるための取組みが行われています。現状においては水資源に関する多くの重要な情報はヨーロッパと北米にあり、アフリカ、南米及び一部のアジア、特に水質と水量のデータには隙間が有ります。今回のレポートは2002年に発表されたものを2008年に更新したものです。
この出版において表される見解が、必ずしもUNEPのものであると言う訳ではありません。以前にUNEPが出版したVital Climate Graphics(絵で見る気候問題)とアクセス可能なリソースを提供するためにコンパイルされています。
本書の目的は、画像、地図や他のイラストのセットを通して、世界の新鮮な海の水の状態の明確な概要を生成することです。それは、この情報をより良い意思決定のため、将来の世代のために私たちの水資源を保護するための水利用者や専門家を支援することが期待されます。
過去20年以上の活動と評価から現在及び将来の水資源に関する傾向が得られ、以下のことが明らかになった。