ホーム > 環境について > 環境関連情報 > 水道の水質規準大幅改訂の動き

環境関連情報

水道の水質基準大幅改定の動き

情報発信日:2003-04-15

水道水の水質基準改定

背景

本年4月から水道の水質基準において鉛の浸出基準が改正されましたが、新たにニッケルの浸出基準等の改定も検討されています。このような動きは現在、WHO(世界保健機構)において「2003年度版の飲料水質に関するガイドライン」の改定が行われており、これに連動してわが国においても厚生労働省の諮問機関「水質管理専門委員会」において水質基準の大幅改定が検討されており、このたび「水質基準の見直し等について(案)」がまとまりパブリックコメントを求めています。骨子は2003年半ばを目標にまとめられる予定ですが、今回はこの動きについて概要を記します。

「水質基準の見直し等について(案)」の概要

水質基準の拡大

現行の「水質基準-快適水質項目-監視項目-ゴルフ場使用農薬に係わる暫定水質目標」システムの考え方は、全面的に見直す → 水質基準は現行46項目から50項目へ(13項目追加、9項目削除)表-1参照。行政指導の水質管理目標設定項目を27項目に、農薬については水質管理目標設定項目に「農薬類」という項目を新たに設定、その農薬の検討対象項目は101項目に。

病原性微生物対策の強化

クリプトスポリジウム等の耐塩素性病原微生物に対する処置 → 膜ろ過施設を用いた適正な浄水処理の実施の義務づけ。

水質検査等の質の確保

水質検査等の質的確保のため、優良試験所基準(GLP:Good Laboratory Practice)の考え方を採用 → 検査精度と信頼性確保。

水質基準目標設定項目

毒性試験の結果などから水質基準としては見送られたが、一般環境中に検出されている項目、使用量が多く今後水道水中に検出される可能性がある項目など、水質管理上留意する必要があるとし、関係者に注意を喚起するための項目で、項目数は27項目。

農薬に関する扱い

農薬については、対象とする病害虫に応じて散布される地域、発生時期に応じて散布される時期が限定されるなど、その他の化学物質と比べて使用形態が独特であり、個別の農薬毎に見た場合 → 水質基準または水質管理項目設定項目に分類されることは稀ではあるが、水道水中の農薬に関しては国民的な感心が高く、特別な取扱いが必要と考え、下記のとおり特別の取扱いを行い、需要者の安心を確保する。

  1. 水質基準への分類要件に適合する農薬については、個別に水質基準を設定する。
  2. 上記1に該当しない農薬 → 農薬の検出値と農薬の目標値の比の値(検出指標値)が1を超えないこととする総農薬方式により、水質管理目標設定項目に位置づける。この農薬については、検出状況、使用量などを勘案し、浄水で検出される可能性の高い農薬をリストアップし、その検討対象項目は101項目としている。

本件に関する詳細な内容については、厚生労働省健康局水道課ホームページをご覧ください。

注意

情報一覧へ戻る