ホーム > 環境について > 環境関連情報 > 2012年冬-最近の世界の異常気象-
情報発信日:2012-03-26
2011年夏、バンコク市における長期間に渡る大洪水が発生し、地球温暖化の影響かと思われる異常気象が出現しましたが、逆に2012年冬、南極において日本の南極観測船『しらせ』が5mの氷と2mの積雪に阻まれ、数十年振りに昭和基地への接岸を断念するといった事態が生じたり、日本列島が記録的な寒波による豪雪に見舞われるといった事態が生じたり、同様に欧州でも数十年振りという寒波に居座られ、温暖化とは逆に寒冷化の動きも見られています。
このような中で、気象庁は2012年2月1日付けで「2011年(平成23年)の世界と日本の年平均気温について(確定)」と題する報道発表を行いました。
これによると、世界の平均気温については「2011年の世界の年平均気温 (陸域における地表付近の気温と海面水温の平均) の偏差は+0.07℃で、1891年以降では12番目に高い値となりました。世界の年平均気温は、長期的には100年あたり0.68℃の割合で上昇しており、特に1990年代半ば以降は高温となる年が多くなっています。地域的にみると、陸上では北半球の高緯度で気温が高くなっている一方、海上では太平洋熱帯域の中部から東部にかけて低くなっています。なお、陸域のみの年平均気温偏差は+0.20℃で、1891年以降では9番目に高い値となりました。」と報告されました。
また日本の平均気温については「2011年の日本の年平均気温偏差は+0.15℃で、1898年以降では17番目に高い値となりました。日本の年平均気温は、長期的には100年あたり1.15℃の割合で上昇しており、特に1990年代以降、高温となる年が頻出しています。」と報告されました。
いずれも気温の上昇傾向を示すものですが、一方では、平均気温の変化要因として「近年、世界と日本で高温となる年が頻出している要因としては、二酸化炭素などの温室効果ガスの増加に伴う地球温暖化の影響に、数年〜数十年程度の時間規模で繰り返される自然変動が重なったものと考えられます。2011年の世界の年平均気温が2010年に比べて低くなった要因の一つとしては、2011年春まで持続し、また2011年秋から発生しているラニーニャ現象の影響が考えられます。」ということで、2011年は2010年よりも低温であったと報告がなされました。
国連の気候変動に関する政府間パネル(英語:Intergovernmental Panel on Climate Change、略称:IPCC)においては、温室効果ガスの排出量が増加した場合、単純に地球全ての地域で温暖化が起こるのではなく、気象が極端化して異常気象が起こりやすくなるのであって、北半球では現状よりも、むしろ寒冷化する場合もありうるとして最近では「温暖化」という言葉よりも「気象変動」という言葉を使っています。
そこで、今回は本年(2012年)1月と2月前半における世界の異常気象に関連するニュースを拾ってみたところ、非常に多くの干ばつ、洪水、寒波などの異常気象に関するニュースが見つかりましたので、これを紹介するとともに温室効果ガスの問題を考えてみたいと思います。
日本気象協会のホームページtenki.jpの2012年1月20日発表によると「来週から2月上旬にかけて記録的寒波の恐れ、北陸や西日本の日本海側を中心に、記録的な大雪の恐れが出てきました。」、また、「週明け以降、第1級の寒気が日本付近に停滞し、2月上旬にかけて冬型の気圧配置が続く見込みです。このため、日本付近の気温は平年に比べて2〜3度以上低い状態となる見込みで、この2週間以上にも及ぶ長い寒波は、豪雪によって災害史に名を残す
等に匹敵する規模になる可能性があり、交通機関の混乱や豪雪による孤立化など住民の生活に大きな影響が懸念されるため、十分な警戒が必要です」と述べています。
日々の報道を見る限り、上記の豪雪記録に匹敵しそうに思えます。
表2に2012年1月1日から2月20日までの間に世界の主要な報道機関によって報じられた異常気象をまとめてみました。重複した報道もありますが、全部で48件、寒波・低温に関するもの26件(54.2%)、干ばつに関するもの10件(20.8%)、豪雨・洪水に関するもの8件(16.7%)、高温・温暖化に関するもの4件(8.3%)で、数字だけを見ると寒波や低温に関する異常気象が多く、「本当に温暖化しているの?」と疑問に思うほどです。しかし、内容を見てみると、例えば、