平成20年度(2008年度)エネルギー需給実績(速報)
経済産業省 平成21年10月30日発表
情報発信日:2009-12-18
平成20年度エネルギー需給実績(概要)
経済産業省は平成21年10月30日付けにて、資源エネルギー庁がまとめた平成20年度のエネルギー需給実績の速報を発表しましたので、報道資料より抜粋して報告します。エネルギーの需給は地球温暖化ガス排出量やGDPとも連動する数字であり重要なデータです。資源エネルギー庁によると、
- 我国の平成20年度の最終エネルギー消費は、平成20年9月に発生したリーマンショックの影響による経済活動の低迷により、主に産業部門エネルギー消費の大幅な減少によって対前年度比-6.8%減少。(1965年以降、最大の減少幅)京都議定書の基準年である1990年度比では+5.9%となりました。
- エネルギー起源の二酸化炭素排出量は、エネルギー消費の減少を受けて、対前年費-6.7%と大幅な減少となりましたが、1990年度比では未だ+7.4%です。
平成20年度のポイント
- 産業部門のエネルギー消費
景気の悪化により製造業・鉱業の生産量が-12.7%低下したため減少
(前年度比-11.0%、1990年度比+10.1%)
- 民生部門のエネルギー消費
業務部門の活動量が-2.8%低下し、家庭部門のエネルギー消費が-3.3%減少したため減少
(前年度比-3.2%、1990年度比+34.4%)
- 運輸部門のエネルギー消費
景気の悪化によって貨物の輸送量が-3.4%減少したため減少
(前年度比-4.0%、1990年度比+8.2%)
- エネルギー効率
運輸部門、業務部門、家庭部門で改善しましたが、稼働率の大幅な低下により産業部門での原単位が7年振りに悪化
数値の変化
以下、経済産業省の報道資料より主なグラフを転載します。
*PJ(ペタジュール)は1×exp(15)ジュール
<最終エネルギー消費の長期推移>
<最終エネルギー消費前年度比増減と部門別最終エネルギー消費推移(2008年度速報)>
<エネルギー起源CO2排出量の推移(2008年度速報)>
<GDPと一次エネルギー国内供給推移>
まとめ
日本の実質GDP(物価の変動の影響を除去した)は1990年度に447.4兆円、2007年度560.5兆円と25%の成長をとげ、ほぼ右肩上がりで経済成長を続けていますが、エネルギーの供給量は1990年度は19,557PJに対して2007年度は22,710PJで16%の増加に留まっておりエネルギー効率が向上しています。またエネルギー起源の炭酸ガス排出量も1990年度1,059メガトンに対して2007年度は1,219メガトンと15%の増加に留まっています。
京都議定書の目標である1,076〜1,089メガトンに対して2008年度は不況による経済活動の停滞があり温室効果ガスの排出量は速報値で1,138メガトンですが、京都議定書の目標値に対しては4.5〜5.8%オーバーしており、更なる低減が必要と言えます。
参考文献及び引用先
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