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環境関連情報

日本の大気中二酸化炭素濃度について

2009年3〜4月に過去最高値を記録

情報発信日:2009-06-24

温室効果ガス

京都議定書により我国は2012年度までに温室効果ガスを1990年度と比較して6%の削減を世界に約束していますが、環境省が2009年4月30日付で発表した資料によりますと、2007年度の温室効果ガス排出量は基準年度の1990年度と比較して依然として増加を続けており約9%増となっています。個々の企業や家庭、オフィス、交通機関などから排出される温室効果ガスの量は直接測定出来ませんので、化石燃料の消費量などから算出されます。

これら各国が排出した温室効果ガスは排出した国の周囲や大気中に長く留まっている訳では無く、偏西風などにより隣国から流入して来る分も有りますので直接大気中の温室効果ガス、特に二酸化炭素濃度を測定しても排出量との厳密な相関関係は無いかと思われますが、2009年5月19日付けで気象庁が報道した資料によりますと、日本の定点観測地での二酸化炭素濃度は確実な右肩上がり傾向にあり、2009年3〜4月の大気中二酸化濃度は過去最高を記録したそうです。

2009年5月19日付け気象庁報道

以下、気象庁報道資料より

「2009年4月までの日本の大気中二酸化炭素濃度について」
気象庁が温室効果ガス観測を実施する国内観測地点において、2008年の年平均大気中二酸化炭素濃度は過去最高となりました。

気象庁は、

  1. 岩手県大船渡市綾里
  2. 東京都小笠原村南鳥島
  3. 沖縄県八重山郡与那国島

国内3地点で、大気中の二酸化炭素濃度の観測を実施しています。これらの観測の結果、2008年の年平均値は3地点でそれぞれ388.5ppm、386.6ppm、388.0ppmとこれまでで過去最高となりました。

この10年間では1.9ppm/年の割合で増加を続けており、国内で最初に長期連続観測を開始した綾里においては、観測開始時(1989年) より、37.3ppm濃度が増加しています。

二酸化炭素量の増加と地球温暖化

岩手県大船渡市、東京都小笠原村の南鳥島、沖縄県の八重山郡与那国島と言えばイメージとしていずれも「空気がきれい」と言う印象ですが、ここでも毎年見事に右肩上がりで二酸化炭素量が増加しています。大気中の二酸化炭素濃度は上のグラフで示す様に春が高く、夏が低い傾向に有りますがいずれにしても過去最高値を示しました。一般的には温室効果ガス濃度の増加と地球温暖化の因果関係が完全に証明された様に言われていますが、実際には地球の気温と二酸化炭素濃度の間に相対的な関係が有るだけで、二酸化炭素濃度が増加したから地球の温度が上がったのか、逆に地球の気温が上がった為に海水中に溶解していた二酸化炭素が溶け出して来たかはまだ判らないとも言えます。

綾里における二酸化炭素濃度がこの10年間で約40ppm増加したと報告されていますが、1ppmが100万分の1ですから1立米=100万mlの空気中の二酸化炭素濃度が350mlから390mlと約40ml程度増えた計算になりますが、「この程度の二酸化炭素濃度の増加で本当に地球の気温に影響を与えるのか?」と言う疑問は残りますが、本情報の5月発信分でも述べましたが、排出量は確実に増加していますので、今後は各国が協調して温室効果ガスの排出量は削減するべきかと思われます。

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