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環境関連情報

2004年温室効果ガス濃度最高値に

世界気象機構(WMO)報道

情報発信日:2006-05-01

京都議定書

地球温暖化防止を目的として温室効果ガスの削減目標を各国に割り当てた「京都議定書」が、国際法として2005年2月16日に正式に発効しています。本議定書によると2008年から2012年の第一約束期間に1990年と同じレベルにまで温室効果ガスを削減することが求められていますが、排出量世界1位の米国(全体の24%)が離脱したこと、排出量世界第2位の中国(全体の13%)と排出量世界第3位のインド(全体の4%)が途上国ということで削減目標をもたないことから、京都議定書締約各国の活動が本格化する今後の温室効果ガスの増減が気になるところです。

温室効果ガスとは

地球は大気(空気)中にわずかに含まれる二酸化炭素やメタンなどの存在により、太陽からの熱を適度に封じ込めて人間などの動物や植物が生活しやすい気温を保っています。しかし、この温室効果ガス濃度が高すぎると気温が上昇し、砂漠化などが進み生物が住みにくい環境になります。反対に、この温室効果ガスがまったくなくなってしまうと地球全体が氷点下になってしまいます。

実際に温室効果ガスと呼ばれるガスは、一般的には二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、亜酸化窒素(N2O、別名:一酸化二窒素または麻酔ガスとして知られる笑気)、オゾン層を破壊するとして製造が禁止になったフロンに代わる代替フロン(HFC、PFC、SF6)の6種類を指します。ただし、各ガスの温室効果は二酸化炭素を1とすると、メタンが約20倍、亜酸化窒素が約300倍、代替フロンでは数百倍から数万倍といわれており、濃度が低いから大丈夫というわけではありません。濃度と効果係数を乗じて判定を行う必要があります。

2004年度温室効果ガス濃度

世界気象機構(WMO)は2006年3月14日、ジュネーブにおいて、2004年度に温室効果ガス濃度が過去最高値を更新したと発表しました。

発表によると「大気中に最も多く含まれる温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)の大気中濃度は377.1ppm、その他の温室効果ガスのメタン(CH4)及び亜酸化窒素(N2O)も各々1783ppb及び318.6ppbで最高値に達した」としています。

この濃度は18世紀後半から19世紀前半における産業革命当時と比べて二酸化炭素が35%、メタンが155%、亜酸化窒素が18%、各々増加したことになります。

世界気象機構の事務総長、Mr. Michel Jarraudは「WMOによる世界的な観察調査では、二酸化炭素(空気中で最も大量の温室効果ガス)のレベルが横ばいになる兆候を示さず、着実に増加し続けることを示している」と述べています。

注)ppmは100万分の1、ppbは10億分の1。1000ppb=1ppm、10000ppm=1%

各温室効果ガスの変動

二酸化炭素

2004年における世界平均の空気中二酸化炭素濃度は377.1ppmで過去最高値を記録しました。これは産業革命時に比べ35%増加したことになり、約200年で平均約100ppm(0.5ppm/年)増加したことになります。しかし、ここ10年間では19ppm(1.9ppm/年)と4倍弱の速度で増加し、前年と比較しても、1.8ppmと同様な増加傾向を示しています。

メタン

2004年におけるメタン濃度は1783ppbで、産業革命当時と比較して155%(5.4ppb/年)の増加と著しく増加していますが、ここ10年では37ppb(3.7ppb/年)の増加で2004年は実質的な増加はなく、安定期に達している兆候を示しています。1999年からの変化は5ppb/年未満。うち60%が人間の営み、残り40%が自然の活動による増加とみられています。

亜酸化窒素

2004年における亜酸化窒素の濃度は318.6ppbで、産業革命当時と比較して他の温室効果ガスに比べると増加率は低く18%の増加(0.24ppb/年)ですが、ここ10年の増加は8ppb(0.8ppb/年)で、1988年以降は着実に0.8ppb/年の増加傾向が継続しています。また、空気中に放出される亜酸化窒素の1/3は燃料燃焼、産業プロセス、肥料使用など人間の生活によるものとしています。

※世界気象機構(WMO)による次回の温室効果ガス濃度は2006年11月に発表される予定です。

情報源・出典・参考情報

注意

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