ホーム > 環境について > 環境関連情報 > 「土壌汚染対策法」施行について
情報発信日:2003-06-20
近年、都市部における再開発や地下水汚染調査により、各地で鉛、ヒ素、六価クロム、水銀などの重金属類やトリクロロエチレンをはじめとする有機系塩素化合物などの有害物質による土壌の汚染問題がクローズアップされてきています。
土壌は大気や水と並び、人や生物にとっての環境問題として非常に重要な要素であり、土壌は一度汚染されると浄化には莫大な費用がかかるとともに、その影響は長期に及ぶため、大気や水と異なる特徴があります。
したがって、土壌汚染対策は国民の安全や安心を確保するうえで大変重要な意味をもつことになります。このように土壌汚染による健康影響への懸念や対策の確立への社会的要請が高まり、登場してきたのが「土壌汚染対策法」です。「土壌汚染対策法」は昨年(2002年)5月に制定され、本年(2003年)2月15日から施行されました。
「土壌汚染対策法」は、こうした背景に対応し、人体の健康に係わる被害の防止措置とその対策の実施を主な目的として設けられました。
この法律によると、汚染の可能性のある土地の所有者には一定の条件に基いて、汚染の調査・対策が義務づけられるようになります。
以下、簡単に「土壌汚染対策法」の流れについて説明します。
今回施行された「土壌汚染対策法」の成立から約30年前の1970年は、ちょうど「公害」という言葉が大きな社会問題となり始めていた時期で、「土壌汚染防止法」「水質汚濁防止法」「廃棄物処理法」「海洋汚染防止法」といった法律が次々に成立しました。
従来からの「土壌汚染防止法」と今回施行された「土壌汚染対策法」の大きな違いは、「防止法」が「農用地」の土壌汚染を防止する目的なのに対し、「対策法」は有害物質を取り扱っていた「工場跡地等(・・・市街地)」の土壌汚染対策がその目的である、という点にあります。
なお、法規制の対象外であっても、土壌汚染は企業のリスクに深くかかわってきますし、この問題に関しては法律に触れなくても、社会的な信用を失うなどの制裁を受ける可能性があるので十分な注意が必要です。