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環境関連情報

平成25年度省エネ大賞50社決定

「省エネ事例部門」及び「製品・ビジネスモデル部門」

情報発信日:2014-02-28

はじめに

2014年1月22日付けで、平成25年度「省エネ大賞」(主催:一般財団法人省エネルギーセンター、後援:経済産業省)の受賞50社が発表されました。

受賞各社の表彰式及び発表会は、ENEX2014「第38回地球環境とエネルギーの調和展」(平成26年1月29日〜1月31日)の開催に合わせて、東京ビッグサイトにて行われました。

 

省エネ大賞とは

省エネ大賞とは、「国内の産業・業務・運輸部門に属する企業、工場、事業場等の省エネルギーを推進している事業者及び省エネルギー性に優れた製品を開発した事業者の活動を発表大会で広く共有するとともに、優れた取組を行っている事業者を表彰することにより、省エネルギー意識の浸透、省エネルギー製品の普及促進、省エネルギー産業の発展及び省エネルギー型社会の構築に寄与することを目的とするものです」(一般財団法人省エネルギーセンター)を目的として、毎年公募を行い、審査委員会により審査して決定されます。

対象部門は以下の2部門です。

(1) 省エネ事例部門

企業、工場、事業場等の節電や省エネ推進活動

(2) 製品・ビジネスモデル部門

家庭・業務・物流/自動車関連の省エネ・節電製品又は省エネ波及効果の高いビジネスモデル

 

平成25年度受賞概要

(1) 省エネ事例部門(25社またはグループ)

省エネ事例部門では、当工業会会員のTOTO(株)が経済産業大臣賞(産業分野)を、同じく当工業会会員のアズビル(株)と国家公務員共済組合連合会大手前病院のグループが省エネルギーセンター会長賞を受賞しました。

以下、TOTO(株)とアズビル(株)の取組概要を紹介します。

【TOTO(株)の事例】 最先端の省エネ技術を導入したモデル工場プロジェクト(省エネルギーセンターのホームページより)

衛生陶器の製造工場において、老朽化した工場の建替の機会に、最先端の省エネ技術を導入し、大幅な省エネとCO2削減を実現した事例である。主な取組として、焼成工程では排熱回収自己再生型ファイバー炉の導入による効率改善、1,200℃まで対応可能なバーコードを用いた世界初の衛生陶器個体識別管理システムの構築による歩留まりの更なる向上、成形室の空調についてはビル用エアコンを改善した新たな方式を採用し大幅な消費電力量の削減に成功。その結果、旧工場と比べ、消費電力は18%(995 MWh/年)、都市ガス使用量は49% (2,127千㎥/年) の削減を達成した。窯業分野の製造工場モデルとなる事例である。

【アズビル(株)の事例】 省エネ活動とCGS有効活用によるピーク時間の節電(省エネルギーセンターのホームページより)

病院において、省エネ推進体制を整え、全職員で省エネ活動に取組み、省エネと節電に成果を上げた事例である。具体的な取組としては、一部空調の午後一斉停止、空調機の除湿・再熱制御の見直し、蒸気配管への保温材の設置、CGS(ガスコジェネレーションシステム)の有効活用等を実施した。その結果、平成24年度のエネルギー消費量は、22年度比で23 % (原油換算952kℓ/年) の削減、また24年度の夏季の電力使用ピーク時は、23年度比で36 % (400kW) の削減を達成した。病院長を委員長として、外部関係者を含めた省エネ推進委員会を3〜4回開催、PDCA活動を実践する等、病院での省エネ活動の模範となる事例である。

 

【全受賞一覧】

 

表彰種別 受賞者 テーマ名
経済産業大臣賞
(CGO・企業等分野)
大和ハウス工業(株) 次世代省エネ工場の商品化に向けて〜自社工場でのエネルギー最小化(MIN)への取組み〜
経済産業大臣賞
(産業分野)
TOTO(株) 最先端の省エネ技術を導入したモデル工場プロジェクト
経済産業大臣賞
(節電賞)
日本コカ・コーラ(株) ピークシフト自販機の開発・普及によるコカ・コーラの更なる節電対策
資源エネルギー庁長官賞
(CGO・企業等分野)
キリン(株) 綜合飲料事業における省エネ・節電の取り組み
資源エネルギー庁長官賞
(産業分野)
マツダ(株) 揮発性有機化合物とCO2を同時削減する新塗装技術
資源エネルギー庁長官賞
(業務・輸送分野)
三菱ふそうトラック・バス(株) サプライチェーンにおけるCO2削減
資源エネルギー庁長官賞
(共同実施分野)
トヨタ自動車(株)明知工場鋳造部
アイシン高丘(株) 本社工場鋳造生技部
中部電力(株) 技術開発本部エネルギー応用研究所
特殊電極(株) 環境技術室
鋳造工場におけるアーク式取鍋加熱装置の導入による省エネ対策
資源エネルギー庁長官賞
(節電賞)
(株)日立製作所インフラシステム社 大みか事業所 電力見える化、原単位化とEnMSによるエネルギー利用効率向上施策の推進
中小企業庁長官賞 高俊興業(株) 電力使用ピーク時間帯における電力使用の抑制と省エネ
省エネルギーセンター
会長賞
国家公務員共済組合連合会 大手前病院
アズビル(株)
省エネ活動とCGS有効活用によるピーク時間の節電
北海道大学大学院 地球環境科学研究院 寒冷地の実験系大学院の節電
(株)デンソー スパイラル流れ活用による洗浄・乾燥工程の高効率化
イケア・ジャパン(株) 夜間冷房によるデマンド削減
出光興産(株)千葉製油所製油一課 接触改質装置 整合塔 最適化制御構築による省エネルギー
橋本周辺広域市町村圏組合
テスコ(株) 橋本事業所
新設橋本周辺広域ごみ処理場における省エネルギーチューニング活動について
パナソニックエコシステムズ(株) 経営層を含めた全員活動での継続した最先端省エネ工場への取り組み
北電興業(株) 冷涼気候を活かした省エネ行動誘発型の中小規模事務所ビル設備リニューアル
(株)神戸製鋼所 溶接事業部門西条工場 ボイラー運転効率化によるエネルギー使用量の低減
三菱電機(株)情報技術総合研究所 三菱電機東部研究所地区の省エネ・節電対策
トヨタ自動車(株) 革新技術とエネルギー効率に拘ったサステイナブルプラントへの挑戦
パナソニック(株)アプライアンス社 トップユニットの加熱レス接着工法開発によるCO2削減
岩手東芝エレクトロニクス(株) 更なる廃熱回収への取り組みによる燃料の削減
京セラサーキットソリューションズ(株) 富山入善工場 冬季、外気温度と冷却水温度の逆転を利用した、省エネ対策
審査委員会特別賞 大日本印刷(株) 省エネトータルマネジメントシステムを活用した取組み
(独)理化学研究所
計算科学研究機構(株)
日建設計新晃工業(株)
スーパーコンピュータ「京(けい)」の高効率冷却システム

 

(2) 製品・ビジネスモデル部門

製品・ビジネスモデル部門では、省エネルギーセンター会長賞を会員企業の(株)LIXILが受賞しました。以下、(株)LIXILの取組概要を紹介します。

【(株)LIXILの事例】 次世代スタンダードウインドウ「SAMOS」の開発(省エネルギーセンターのホームページより)

本製品は、フレーム(框)を極小化し、複層ガラスと一体化することで、断熱性と意匠性の向上を表現したサッシである。具体的には、熱伝導率の高いアルミ製の部分の面積を小さくし、複層ガラスの面積を大きくすることで、従来のサッシと比べ、断熱性が33 % (アルミ樹脂複合サッシの場合)の上昇を実現した。フレームの極小化を可能にしたのは、フレームと複層ガラスをグレチャンと言うパーツで締結して一体化する方法で(アンカー式グレチャン)とフレームとフレームラインを窓枠に隠すフレームイン構造を独自開発したことによる。従来のサッシ(一般複層ガラス)と比べ、年間の空調エネルギー消費量を13 % 削減を達成した。

 

【全受賞一覧】

 

表彰種別 受賞者 テーマ名
経済産業大臣賞
(製品 (家庭) 分野)
リンナイ(株) 家庭用ハイブリッド給湯・暖房システム「エコワン」
経済産業大臣賞
(製品 (輸送) 分野)
マツダ(株) CO2削減に寄与するSKYACTIV技術
経済産業大臣賞
(ビジネスモデル分野)
福島工業(株) ESCO事業を組み合わせたエネルギー管理システム「Bems-You」による環境負荷低減システムの構築
経済産業大臣賞
(節電賞)
三菱重工業(株) 熱源総合制御システム「エネコンダクタ」による高効率インバータターボ冷凍機の最適制御
資源エネルギー庁長官賞
(製品(業務)分野
バンドー化学(株)
(株)ミツヤ送風機製作所
新製品「ハイパーフラットドライブシステム」の開発と応用
資源エネルギー庁長官賞
(製品(家庭)分野)
日立アプライアンス(株) 省エネ性能を向上させた家庭用エコキュートの開発
資源エネルギー庁長官賞
(製品(輸送)分野)
三菱ふそうトラック・バス(株) 小型トラック「新型キャンター エコ ハイブリッド」
資源エネルギー庁長官賞
(ビジネスモデル分野)
シャープ(株) プラズマクラスターによる衛生空間づくりと節電の新たなソリューション提案
資源エネルギー庁長官賞
(節電賞)
ダイキン工業(株) 省エネ性に優れた店舗・オフィス用エアコン「FIVE STAR ZEASシリーズ」
中小企業庁長官賞 (株)クレオ ヒートポンプ等の導入による物品配送用容器洗浄乾燥機の省エネ・リニューアル事業
省エネルギーセンター
会長賞
パナソニック(株)アプライアンス社 CO2冷媒を採用したノンフロン冷凍システム
日立アプライアンス(株) LED照明器具「LEDシーリングシリーズ」/LED電球
東芝ホームアプライアンス(株) ドラム式洗濯乾燥機「ZABOON」
理想科学工業(株) 高速カラープリンター「ORPHIS EX シリーズ」
(株)リコー デジタルフルカラー複合機「RICOH MP C6003/C5503/C4503/C3503/C3003シリーズ」
三菱電機(株) 家庭用エアコン「霧ヶ峰 Zシリーズ」
パナソニック(株)アプライアンス社 新エコヒートポンプエンジン搭載「ななめドラム式洗濯乾燥機」
ダイキン工業(株) 住宅用エアコン付床暖房「ホッとく〜る」
(株)LIXIL 次世代スタンダードウインドウ「SAMOS」の開発
日本板硝子(株) 超高断熱複層真空ガラス「スペーシア21」
AGCグラスプロダクツ(株) 社現場施工型後付けLow-Eガラス「アトッチ」
木村工機(株) 冷温水式高効率空調システム「みずエクセル」
審査委員会特別賞 日立アプライアンス(株) 冷凍冷蔵庫「真空チルドFSシリーズ」
ニプロ(株) 透析排液熱回収システム「ニプロecoシリーズ」
(一社)日本鉄鋼連盟鉄鋼 CO2排出量・原単位計算方法ISO化

 

まとめ

省エネルギーセンターによると、省エネ大賞は以下の事業者を対象として公募を行い、審査により大賞を決定しています。

【応募対象】「国内の省エネルギーを推進している事業者及び省エネルギー性に優れた製品又はビジネスモデルを開発した事業者を対象とし、上記の取組を行う事業者の中から、特にピーク電力の抑制・ピークシフト等の節電に貢献のあった事業者も表彰することとします。(事業者には、産業・業務・運輸部門に属する企業、工場・事業場のほか、自治体、教育機関等も含むものとします。)」

【応募区分と評価項目】

(1) 省エネ事例部門

企業全体での取組や工場等の製造プロセスの改善のほか、現場密着型の小集団活動等、省エネルギー活動を推進している事業者を対象とします。 なお、省エネルギー活動には、ピーク電力抑制・ピークシフト等の節電への取組を含みます。 評価項目:①先進性・独創性、②省エネルギー性、③汎用性・波及性、④改善持続性

(2) 製品・ビジネスモデル部門

原則、平成25年11月1日までに国内で購入可能な優れた省エネルギー性を有する製品(家庭用・業務用製品等のほか、住宅・ビル等の建築部材・システムを含む)又は省エネルギー波及効果の高いビジネスモデルを開発した事業者を対象とします。

なお、省エネルギー性及び省エネルギー波及効果には節電効果も含みます。

評価項目:①開発プロセス、②先進性・独創性、③省エネルギー性、④省資源性・リサイクル性、⑤市場性・経済性、⑥環境保全性・安全性

公募は毎年5月頃から7月頃まで行われ、書類審査を通過した場合には10月頃の地区発表大会で選抜されプレゼンテーションを行い受賞が決定します。

これを機会に、次年度以降に応募されてみてはいかがでしょうか?

引用・参照情報

注意

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