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情報発信日:2010-11-30
環境省では、平成8年9月5日付けの環境省告示第54号において環境教育と環境保全活動の推進を目的として、「環境カウンセラー登録制度」を創設し、今年度(平成22年)で同制度創設14周年を迎えました。
しかし「環境カウンセラー」と言う言葉は、まだ一般にあまり馴染みがないと思われますので、本稿で少し詳しく説明したと思います。
環境カウンセラー登録制度実施規定の第2条には「環境大臣は、この規定の定めるところにより、環境保全活動を行おうとする者に対して環境保全及び環境保全活動に関する知識の付与並びに環境保全活動に関する助言または指導(以下『環境カウンセリング』という)を行うことを希望する者のうち、適切な能力・見識等を有する者として広く国民に対して推奨すべき者(以下『環境カウンセラー』という)を環境省に備える環境カウンセラー登録簿(以下『登録簿』という)に登録するものとする。」と記されています。
少し、堅苦しく判り難いですが、環境省のホームページによりますと、環境カウンセラーとは「市民活動や事業活動の中で環境保全に関する専門的知識や豊富な経験を有し、その知見や経験に基づき市民やNGO、事業者などの環境保全活動に対する助言などを行う人材として、環境カウンセラー実施規程に基づき、環境省の行う審査を経て登録された方々です。」とあります。
現在、環境カウンセラーとしては環境教育・地球環境問題・リサイクル・エネルギー・環境マネジメントシステム・その他様々な分野の専門家が全国で4,500人以上が登録し、活躍していると記載されています。
また「環境カウンセラー」には、幅広いニーズに応じた環境カウンセリングを行うために、主として企業や事業者を対象とした「事業部門カウンセラー」、および、地域・学校・自治体・市民または市民の発意に基づき活動を行う営利を目的としない法人その他の団体などを対象とした「市民部門カウンセラー」の2部門があり、大規模な団体から個人まで、様々な人々からの相談に応えられるような体制がとられています。
具体的に環境カウンセラーとは、どんな活動を行い、我々とどんな関連を持っているのでしょうか?
事業部門においては環境マネジメントシステムに関する相談や審査(ISO・エコアクション21など)、環境関連業務のアドバイスなど、市民部門においては一般市民や子供達に対する環境教育、地域における環境保全活動や自然観察の指導やアドバイス、あるいは事業部門・市民部門共通の活動としては環境講座の講師、環境問題に関するアドバイス全般、行政の環境基本計画策定の委員活動等など日常の環境問題に関する疑問への回答から環境活動のお手伝いまで幅広い活動を行っています。
具体的には、環境省の環境カウンセラーに関するパンフレットによると以下のような例が記されています。
この様な場合に身近で気軽に相談に応じてくれる人が「環境カウンセラー」と言えます。
環境カウンセラーを探すには、幾つかの方法があります。
環境省のホームページ内に、全国環境カウンセラーのプロフィールや活動情報が掲載されています。地域や専門分野、キーワードなどから検索して、自分のニーズに合ったカウンセラーを探すことが可能です。
環境カウンセラー協(議)会とは、地域の環境カウンセラーの有志が連携して、種々の情報やノウハウを交換し、地域に貢献するために協力する任意団体で、全国に約50団体(ほぼ各県に1団体)があり、それぞれの地域での環境保全活動や啓発活動を行っています。
各地域の環境カウンセラー協(議)会の活動状況・連絡先などは上記環境カウンセラー全国連合会のホームページの会員情報より入れます。
(財)日本環境協会のホームページに「教えて!環境カウンセラー」というコーナーがあり、「このコーナーは、誰でも気軽に環境に関する質問を投稿できるページです。皆さんの疑問に環境カウンセラーがお答えします。」と書いてあります。過去のQ&Aも掲載されていますので、役に立つと思います。
「環境カウンセラーに依頼したいけれど、どの位の費用が掛るのか心配。」と言う方が多いかと思います。費用などの条件は活動の種類・内容によって異なる場合がありますので、個々の環境カウンセラーに直接依頼する前に地域の環境カウンセラー協(議)会にお問い合わせ頂いた方が良いかと思います。基本的に環境カウンセラーの活動は環境保全活動に関する依頼・相談に自主的に応じるものですが、その活動を継続的に行って行くためには活動にかかる交通費や実費、場合によっては謝礼などの費用負担が必要になる場合もありますが、一般的にはボランティア的な活動を行っているカウンセラーも多いと思われますので、多大な費用が必要な場合は少ないのではと思います。
環境省は仕事やボランティア活動で取り組んで来た環境に関する経験や知識を活かして環境保全活動の推進や環境教育のリーダーとなる人材を幅広く求めています。最近、若い人達の中に「環境カウンセラーに成りたい」と言う人が増えていると聞きますが、環境カウンセラーになるためには、5〜10年の環境に関する実務経験が必要で、経歴等を記載した申請書及び指定されたテーマに沿った論文による書面審査、そして面接審査に合格することが必要です。面接審査に合格された人は、環境大臣から「環境カウンセラー登録証」が交付されます。なお、登録期間は3年間で、登録期間内の活動実務及び研修などにより更新されます。ただし、この制度は人材登録制度であり、いわゆる国家資格ではありません。申請は毎年、7月頃に行われますので興味のある方は環境省のホームページを参照してください。