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情報発信日:2006-07-31
環境(エコ)ラベル制度とは、製品のライフサイクル(原料採取から製造工程、使用中から廃棄までのすべての工程)における環境負荷または配慮度合いを示すもので、購入者が製品購入の際に選択の目安になる認証マークやデータを示す制度です。
一般に「環境ラベル」とよばれるものには、ISO(国際化標準機構)が規定しているタイプI、II、IIIの3種類があり、その概要は以下のとおりです。
ISO区分 | 基本 | 内容 | 運用例 |
---|---|---|---|
タイプⅠ ISO 14024 |
第三者認証による基準合格の証明 |
(1) 基準に対し第三者機関が合格/不合格の判定をする (2) 原則1国1制度で製品分類と判定基準は運営機関が決める (3) 合格するとマークで表示ができる (4) マーク表示品は環境配慮製品と判断できるので購入者にはわかりやすい |
日本では(財)日本環境協会が運営する「エコマーク」があります |
タイプII ISO 14021 |
事業者の自主基準に基づく自己宣言による環境主張 |
(1) 「省エネルギー」など主要12項目について、その定義や検証方法について規定されているが事業者の自主基準により製品の環境改善を市場に対して独自に主張するもの (2) 第三者による判断は入らない (3) 製品だけでなく事業者が行う広告宣伝にも適用される |
各事業者 |
タイプIII ISO 14025 |
第三者評価による定量的製品環境負荷データの開示 |
(1) 製品のLCA(注)を考慮した定量的な環境データを表示 (2) 合格/不合格の判定はしないが第三者機関が提供情報を認証 (3) 提供情報の評価は購入者に委ねられる |
日本では(社)産業環境管理協会が運営する「エコリーフ」があります |
注:LCA(ライフ・サイクル・アセスメント)
直訳すると「(製品やサービスの)一生の(環境への影響)評価」ということになります。「一生の評価」とは、製品を企業が製造する過程だけではなく、製品に使用する原料の採掘段階から、製品に使用される部品や材料の製造・精製される過程、製品が出荷され消費者に届けられる過程、消費者が使用し、修理・メンテナンスを受ける過程、さらには製品が消費者の手を離れて廃棄やリサイクルされるまでの、すべての過程における(環境への影響)評価を意味します。
環境ラベルはISOが規格化していますが、法律や規制ではないので義務づけられているものではありません。したがって、必ずしも国際規格に適合しないものもあります。
環境ラベルは上述したように法律や規制ではありませんが、企業や事業者がせっかく環境に配慮した製品やサービスを提供しようとしても、購入者にそれを伝える手段がなくては意味がありません。しかしながら、各企業や事業者が勝手な規格で勝手な数字を示しても、購入者が混乱するだけになる恐れがあります。
このような状況において、企業や事業者の環境負荷低減努力を公正かつ透明性をもって評価し、これを表示できる制度として国際的に通用する環境ラベル制度が導入されました。
これにより、企業や事業者は自社の環境負荷低減活動を宣伝して売上増を目指し、購入者は製品やサービスの提供を受ける際に環境配慮製品を容易に選択することが可能になるといえます。
しかしながら、この制度においては多くの企業や事業体がこの制度を取り入れないと大きな意味をなさないという問題がありますが、残念ながら、現状ではまだ普及状況は低いといわざるを得ないものであり、今後は当会においても内容をよく検討していきたいと考えます。