環境にやさしい企業行動調査結果
2005年9月16日環境省報道
情報発信日:2005-09-26
環境省アンケート調査
環境省では、平成3年度(1991年)から継続している「環境にやさしい企業行動調査」の平成16年度(2004年)の結果を取りまとめ、2005年9月16日付で公表しました。詳細は環境省のホームページに掲載されておりますので、興味のあるかたは、こちらをご覧ください。
以下は、概略を紹介いたします。
- 「環境への取組みと企業活動」について
- 東京、大阪及び名古屋証券取引所1部及び2部上場企業 2,630社
- 従業員500人以上の非上場企業及び事業所 3,753社
- 合計6,383社
- 有効回答数
- 東京、大阪及び名古屋証券取引所1部及び2部上場企業 1,127社(42.9%)
- 従業員500人以上の非上場企業及び事業所 1,397社(37.2%)
- 合計2,524社(39.5%)
調査結果概要
- 「環境への取組みと企業活動」について
- 「最も重要な戦略の一つ」と考えている企業は27.5%。前年に比べ6.5ポイント増加
- 「ビジネスチャンスである」と考えている企業は6.9%だが増加傾向
- 「企業の環境格付けの必要性」について
- 「必要」と回答した企業は76.3%
- 理由「諸外国では環境面等での企業選別が行われているので日本でも必要」・・・46.8%
- 理由「企業ブランドを確立しうるので必要」・・・29.5%
- 「取引先の選定にあたり環境に配慮した事業活動を考慮するか」について
- 選定基準は設けていないが考慮はしている・・・44.0%
- 選定基準を設けて考慮している・・・20.5%
- 今後、考慮する予定・・・16.8%
- 現在のところ考慮する予定はない・・・17.7%
- 「グリーン購入」について
- グリーン購入を考慮している・・・57.4%
- グリーン購入について検討中・・・24.9%
- 「グリーン購入の実施」について
「グリーン購入を考慮している」と回答した1,448社において、
- 「ガイドライン又はリスト等を作成し、選定している」・・・45.7%
- 「業界団体等で作成したガイドライン等を活用し選定している」・・・16.9%
- 「企業における環境情報の公開」について
企業活動における環境への取り組やデータの公開については、
- 「一般に公開している」・・・47.4%(前年に比べて7.7ポイント増加)
- 「環境報告書」を作成し公開している企業は801社(31.7%)
- 来年作成予定が136社
- 「環境会計の導入」について
- 「すでに導入している」・・・28.2%(前年に比べて4.6ポイント増加)
- 「導入を検討している」・・・17.4%(前年に比べて3.6ポイント増加)
- 「CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)」について
- 「意識した企業経営を行っている」・・・49.7%
- 「実施に向けて現在検討している」・・・35.5%
※大半の企業が意識している様子が窺えます。
- 「環境ビジネス」について
- 「すでに事業展開をしている、またはサービス・商品等の提供を行っている」・・・41.6%
- 「今後、事業展開の予定」・・・5.2%
- 「今後取り組みたい」が19.5%
※約2/3の企業が環境ビジネスに関心を示しています。
- 「地球温暖化防止への取組み」について
- 「実際に地球温暖化防止のための取組みを行っている」・・・49.6%
- 「方針は定めていないが、取組みは行っている」が31.2%
※約80%の企業が何らかのかたちで地球温暖化防止に取組んでいます。
感想
本アンケート調査の結果より、各企業の環境問題に対する関心の深さが窺えます。環境問題を「ビジネスチャンス」「企業ブランドをあげるための重要な戦略」と前向きに位置づける企業と、「社会貢献の一つ」と消極的に位置づける企業とがあるようですが、今後は環境問題を「自社にとってプラス要因」「プラス要因にするにはどうするべきか?」を考えて、前向きに取組むことが重要になってくると思われます。またCSR(企業の社会的責任)についても、企業の関心の高さが現れており、法規制以上の社会的貢献を積極的に取り入れて行く姿勢が鮮明になりつつあります。従来は、製品の購入において「コスト」と「性能・機能」が比較されましたが、今後は「環境配慮」や「社会的責任」にいかに取組んでいるかも、購入条件の一つになってゆくものと思われます。
出典
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