ホーム > 環境について > 環境関連情報 > REACH規則における高懸念物質(SVHC) #7

環境関連情報

REACH規則における高懸念物質(SVHC) #7

第11次SVHC 4物質が追加、合計155物質に

情報発信日:2014-7-23

はじめに

ECHA(欧州化学品庁)は2014年6月16日付けでホームページに掲載されているREACH規則における高懸念物質(SVHC)が収載されているCandidate List of Substances of Very High Concern for Authorisation (高懸念物質の認可対象候補物質リスト)を更新して、従来151物質だった高懸念物質
(SVHC)に4物質を追加しました。

これによって、Candidate List of Substances of Very High Concern for Authorisation (高懸念物質の認可対象候補物質リスト)に収載された高懸念物質(SVHC)は155種類となりました。

第11次追加高懸念物質一覧

表1 附属書XIV(Candidate List)に第11次追加収載されたSVHC物質の収載(2014年6月16日付け)

物質名 CAS番号 収載理由 主な用途など
No. 英名 和名、略称、俗称、別名など
1 1,2-Benzenedicarboxylic
acid,   dihexyl  ester,
branched and linear
・1,2 - ベンゼンジカルボン酸、ジヘキシルエステル、分枝および直鎖
・ビス[アルキル(C=6)]=フタラート
68515-50-4 生殖毒性
(第57条C)
・シーラント/接合剤
・エンジンオイル
 の安定剤
・自動車のギア潤滑剤
・医療機器
 (DEHPの代替)
・汎用PVC可塑剤
 (DEHPの代替)
・粘着剤やインク
 (DIBPの代替)
2 Sodium  perborate;
perboric  acid,  sodium
salt
・過ホウ酸ナトリウム
・過ホウ酸、ナトリウム塩
- 生殖毒性
(第57条C)
・有機カドミウム化合物
 の製造用
・無機カドミウム化合物
 の製造用
・電気亜鉛めっき
 の資材
・電気めっき
 の資材
・研究用(産業・業務用)
・太陽光発電モジュール
 の製造用部材
3 Sodium
peroxometaborate
・ペルオキソホウ酸ナトリウム 7632-04-4 生殖毒性
(第57条C)
・洗濯洗剤、
食器洗い機用洗剤の漂白剤
4 Cadmium chloride ・塩化カドミウム(Ⅱ)
・ジクロロカドミウム
10108-64-2 発癌性
(第57条A)、
変異原性
(第57条B)、
生殖毒性
(第57条C)、
関連は人間の
健康への可能性
の高い深刻な
影響を持って
いることの同等
レベル
(第57条F)
・有機カドミウム化合物
 の製造用
・無機カドミウム化合物
 の製造用
・電気亜鉛めっき
 の資材
・電気めっきの資材
・研究用(産業・業務用)
・陽光発電モジュール
 の製造用部材

注1) 高懸念物質(SVHC)としてCandidate List of Substances of Very High Concern for Authorisation (高懸念物質の認可対象候補物質リスト)に収載された物質は、各々1物質について成形品に対して0.1重量%を超えて含有し、かつその物質の年間輸出量の合計が1トンを超える場合には、欧州化学品庁(ECHA)へ届け出る必要が生じます。
注2) 届け出は、Candidate List of Substances of Very High Concern for Authorisation (高懸念物質の認可対象候補物質リスト)に新に収載された日から6ヶ月以内に行う必要があります。

まとめ

今回追加された、新規高懸念物質(SVHC)も、単独で主原料として使用されるものではなく、添加剤や副資材として使用される物質ですので、サプライチェーンを通じて、含有及び残留の有無確認が必要となります。

今回特に注意が必要な物質は、No.1の1,2-Benzenedicarboxylic acid, dihexyl ester, branched and linear(1,2 - ベンゼンジカルボン酸、ジヘキシルエステル、分枝および直鎖)です。油剤や接着剤などの安定剤などやPVCの可塑剤などの添加剤として使用される場合があります。

また、No.2のSodium perborate; perboric acid, sodium salt(過ホウ酸ナトリウム)及びNo.4のCadmium chloride(塩化カドミウム(II))は電気メッキ用の資材として使用される可能性がありますので、残留も含めて管理することが重要と思われます。

引用・参考資料

注意

情報一覧へ戻る