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情報発信日:2013-1-23
ECHA(欧州化学品庁)は2012年12月19日付けでホームページに掲載されているREACH規則における高懸念物質(SVHC)が収載されているCandidate List of Substances of Very High Concern for Authorisation (高懸念物質の認可対象候補物質リスト)を更新して、従来84物資だった高懸念物質(SVHC)を、これまでになく54種類もの新規物質を一挙に追加し、138物質に増やしました。
最終的な認可対象候補物質は300種類とも3,000種類とも推定されていますので、今後さらに多くの物質が登録される可能性がありますので、引き続き注視して行きたいと思います。
今回Candidate Listに追加された54物質についてECHAのホームページから直接引用して以下に示します。
EUのREACH規則における高懸念物質(SVHC)については、本コラムのバックナンバーでも何回か説明してきていますが、再度説明したいと思います。
高懸念物質(SVHC)とはEUにおける総合的な化学物質規制であるREACH規則の附属書XIV(Candidate List of Substances of Very High Concern for Authorisation)に収載された物質で難分解性・生体蓄積性が高い・生体に対する毒性が高いことなどが疑われる物質であり、この物質が年間に1トン以上生産され、かつ製品に0.1重量%以上含有する場合で、その製品をEU域内で販売しようとする場合には欧州化学品庁(ECHA)へ届け出を行って認可を得る必要がある物質を指します。
現状リストアップされている物質は「候補物質」であり正式に「対象物質」ではありませんが、候補物質にリストアップされた時点で、早目に代替品への切り替えを行う企業が多いようです。
付属書XIV(Candidate List)に追加収載(第8次)されたSVHC物質の詳細(2012年12月19日付け)
2012年12月19日付けで欧州化学品庁(ECHA)は、EUの総合的な化学物質規制であるREACH規則の附属書XIV(Candidate List of Substances of Very High Concern for Authorisation)に新たに54物質をSVHC物質として収載しました。
SVHC物質は2009年1月に15物質が収載されたのを皮切りに、過去6回に渡り追加され、これまでに84物質が収載されていましたが、今回は一挙に54物質が追加された形になります。
今回の特徴は、主原料や中間体などの他に安定剤、発泡剤、可塑剤、顔料、難燃剤など主原料への添加剤が目立っています。このため、サプライチェーンの中流や下流では収載物質使用の有無を把握するのがより困難になってきていますので、サプライチェーン上流からのデータ授受がますます重要になってくると言えます。
附属書XIVに収載された物質は今のところ「認可対象候補物質」であり、正式な「認可対象物質」ではありませんが、収載された時点でサプライチェーンの上流に対して含有の有無を確認し、もし含有している場合には出来るだけ早く代替物質を探して切換える方が安全と言えます。
従来の経緯を見ますと附属書XIV収載のSVHCは概ね、6月と12月に定期的に追加が行われてきていますので、継続して注視して行く必要があるのと同時に、最終的な収載物質数は300〜3,000物質にも上るとも推定されていますので、サプライチェーンでのデータの受け渡しと社内における化学物質管理システムをいち早く整備することが急がれると思われます。
なお、REACH規則はEUにおける規制ですので、もちろん日本国内での適用は受けませんがEU域内と取引のある国内企業は日本国内における取引においても自社の「調達基準書」にREACH規則を盛り込んでくる可能性は極めて高くなってきており、海の向こうの話ではなくなっていること及びRoHS指令とは異なり全ての製品が対象となりますので、より注意が必要です。