ホーム > 環境について > 環境関連情報 > 欧州REACH規則における高懸念物質
情報発信日:2009-01-30
REACH規則では以下の例外を除き、金属や無機物質を含む新規及び既存化学物質のすべてに登録義務があります。またREACH規則付属書XIII『難分解性、生物蓄積性、毒性物質及び極めて難分解性で高い生物 蓄積性を有する物質の特定のための基準』に定められている基準のPBT物質『難分解性性・生体蓄積性・有毒性の物質』、または、vPvB物質『非常に高残留性・高生体蓄積性物質』に該当する場合には附属書XIV『認可の対象となる物質のリスト』の候補として公表されています。正式に認可対象となった場合は届出による認可が必要になります。
※ただし、以下の物質は登録・届出が免除されます。
成形品中に少なくとも1種類以上の認可対象物質(SVHC)を含み、その濃度が0.1重量%以上の場合には、成形品の供給者は欧州化学品庁に届出を行うとともに、サプライチェーン下流の顧客が利用可能な「成形品を安全に使用するための十分な情報」を顧客(消費者)から要求を受けた場合には45日以内に提供する義務を負います。
この情報には最低でも「物質名」を含む「成形品の安全な使用を確実にするもの」ためのものである必要があります。2009年1月10日現在、公表されている認可対象候補物質は15物質ですが、将来的には1,000物質以上になるともいわれています。REACH規則に対応するためには、これらの物質が自社製品に含まれているか否かを確認しておく必要があります。
しかし、自社製品に0.1wt/%以上含有している可能性のある調達品を短期間に確認するのはかなりの困難をともなうと思われま。以下、欧州化学品庁が公表している資料を参照して認可対象候補物質(SVHC)の具体的な用途を調査しましたので、紹介します。
SVHC (Substances of Very High Concern)の対象は以下のとおりとされています。
化学物質は別名、略称、俗称などを有しているため、サプライチェーンにおいてCAS番号という識別番号を使うと間違いが少なくなります。
上記物質で注意するべき物質はいくつかありますが、製品本体を直接構成する物質以外に見落としやすい成形品として、以下のものがあげられます。
1) 包装、梱包材料などに含有されているSVHC物質があります。包装・梱包材は製品とは別の成形品として認識されますので、0.1wt/%は個々の包装・梱包材料に対する重量比として計算します。
例)シリカゲルの乾燥度合いを示す青色に使用されている「塩化コバルト」や発泡スチロール用難燃剤として使用される「ヘキサブロモシクロドデカン」などは注意が必要です。
2) 樹脂、印刷用インキ、接着剤などへの添加剤、可塑剤など
例)4,4'-ジアミノジフエニルメタン、ジブチルフタレート、ビス(2-エチルヘキシルフタレート)など
3) 加工油剤、洗浄剤など最終的に製品には意図的には残らないが製造工程(切削、プレス、ブローチ、ベンdサー、冶金など)金属加工で使用する物質
例)五酸化二砒素、短鎖塩化パラフィン(炭素数10-13)など