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環境関連情報

有害物質規制最前線#1

日本版RoHS(J-Moss)のJIS化へ

情報発信日:2005-10-21

日本版RoHS検討の背景

EUにおける電気電子機器の化学物質使用規制であるRoHS指令が2003年に成立し、現在加盟国における法制化が進み、2006年7月1日以降EU市場に投入される大半の電気電子機器には、鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、臭素系難燃材(PBB、PBDE)の6物質の含有が原則禁止されます。

この動きに中国、米国も追随する動きを強めており、とくに中国はRoHSとほぼ同じ内容の「電子情報製品汚染管理弁法」の検討を進めており、EUと同じ6物質を同じ時期より規制を開始する予定です。また米国にもRoHSと類似の法規制として、2003年9月にカリフォルニア州法として成立した「電子廃棄物リサイクル法」があります。

このような背景から、日本国内の法規制に違反しない場合でも海外の法規制に抵触することは問題があり、日本においても欧米並みの製品含有有害物質の規制、または、仕組み作りが必要とのことから、2005 年1月25日に発足した経済産業省の諮問機関である産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会製品3Rシステム高度化WGにて審議が重ねられてきました。しかし、わが国における電気電子機器メーカは早い段階から製品に含有する有害物質の管理に向けた準備を進め、サプライチェーンの構築も進んできており、国際的な整合性は必要だとしながらも、わが国独自のルール作りが検討されています。

日本版RoHSの基本的な考え方

製品である電気電子製品の規制についてはグローバルな視点で、国際的な整合性、非対応製品の流入防止、サプライチェーン促進の観点からルールは作られるべきだとしています。概要は以下の3点です。

  1. 率先して対応している企業の取り組みが評価されるべき
  2. EUと同じ使用禁止処置は必ずしも現段階では必要なし
  3. 国際的な整合性から当面はEUの規制6物質対応は必要だが、
  4. 環境配慮設計推進など将来的な広がりを見据えた対応であるべき

具体的なルール作り(JIS化へ)

日本版RoHS(案)→JIS J-Mossとは?

「電気・電子機器の特定の化学物質の含有表示」をJIS化する
The marking for presence of the specific chemical substance for electrical and electronic equipment

対象機器類

2005年8月付の産業構造審議会の報告書案では、当面、適用される機器は以下の7品目としていますが、品目は順次、様子をみて増やしてゆくようです。

  1. パーソナルコンピュータ
  2. ユニット型エアコンディショナ
  3. テレビ受像機
  4. 電気冷蔵庫
  5. 電気洗濯機
  6. 電子レンジ
  7. 衣類乾燥機

適用物質

欧州と同様、カドミウム、水銀、鉛、六価クロム、PBB、PBDEの6物質として含有する場合は表示する。

・上記6物質を含有する場合は左記「R」マークを表示(JIS)
・上記6物質を含有する場合は情報開示(法令)

・非含有の場合は左記「G」マークを任意表示可(JIS)
・対象製品以外にも任意表示可(JIS)

今後のスケジュール

筆者所感

有害物質使用規制は、国際整合性がとられる方向に進んでおり、電気電子製品、自動車だけに適用されるものでも地域限定で適用されるものでもなく、最終的にはすべての産業に波及してゆくものと推定されます。したがって、WEEEやRoHSの真の狙い、背景を理解し企業の社会的責任(CSR)の観点からも早めに対応に着手したほうがよいと思われます。

関連資料

注意

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