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情報発信日:2009-07-27
2009年(平成21年)5月18日付にて環境省は「第2回国際化学物質管理会議(ICCM2)の結果について」と題して以下の報道を行いました。
「平成21年5月11日(月)から15日(金)まで、第2回国際化学物質管理会議(ICCM2)がスイスのジュネーブにおいて開催されました。この会議では、2020年までに化学物質が人の健康・環境への影響が最小となるような方法で生産・使用されることを目標とした「国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ」(SAICM)の実施状況がレビューされ、ナノ材料の安全性等の課題への各国政府や国際機関等の対応について検討がなされました。今後、これらの課題について、各国政府、国際機関、産業界等は、関連する情報の収集や共有等を進めるとともに、対応を強化していくこととなります。次回会合は平成24年(2012年)に開催される予定であり、その準備のための作業部会が平成23年(2011年)に開催される予定です。」
現在、EUにおけるREACH規則、WEEE&RoHS指令やELV指令あるいは国際的にはストックホルム条約、ロッテルダム条約、新シップリサイクル法など世界中で種々の化学物質規制の動きが多く見られますが、これらの動きの根幹に有るのが「国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ」(SAICM)と言われています。1992年の地球サミットで採択された「アジェンダ21-持続可能な開発のための人類の行動計画」の第19章に「有害かつ危険な製品の不法な国際取引の防止を含む有害化学物質の環境上適正な管理」があり、これを達成するために以下の6つのプログラム分野が示されており、各々について目標と行動計画が示されています。 この進捗状況を確認し合うのが国際化学物質管理会議(ICCM2)の場と言えます。
(1) 化学的リスクの国際的なアセスメントの拡大及び促進
(2) 化学物質の分類と表示の調和
(3) 有害化学物質及び化学的リスクに関する情報交換
・ロッテルダム条約(PIC: 有害化学物質に係る事前通報制度)など
(4) リスク低減計画の策定
・ストックホルム条約(POPs: 残留性有機汚染物質の全廃・規制)など
(5) 化学物質の管理に関する国レベルでの対処能力の強化
(6) 有害及び危険な製品の不法な国際取引の防止
(1) 2020年までに化学物質が人の健康・環境への影響が最小となるような方法で生産・使用されることを目標とした「国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ」(SAICM)の実施状況のレビュー
(2) ナノ材料の安全性等の課題への対応
(3) SAICM実施のための財政措置のあり方等
(1) SAICMの実施状況レビュー
SAICMの実施状況については、実施のための着実な努力が進められている一方、途上国ではなおも実施のための能力が欠如しており、経済的・技術的支援が必要との指摘が途上国等からなされた。また、人の健康や動植物への影響、管理方法等に関連する情報へのアクセスをさらに向上させるべきとの意見もみられた。このため、財政措置や「新規の課題」の議論において係る点が考慮されることとなった。
(2) 新規の課題
ナノテクノロジー及びナノ材料、製品中化学物質、e-Waste(電化製品ライフサイクルを通じての化学物質管理)及び塗料中鉛(おもちゃなどに使われる鉛入り塗料による子供の健康被害など)のそれぞれについて、ICCM3に向けた、各国、国際機関及び関係者の検討事項についての決定が行われた。また、今後のICCMにおける「新規の課題」の選定方法についても決定された。
なお、これら新規の課題の検討の成果については、平成23年を目途に作業部会が開催され、進捗状況の検討等がなされ、議論の上、ICCM3での検討に付される
(3) その他
ストックホルム条約では制限物質になったペルフルオロ化合物(PFOS,PFOA等を含む)の扱い。米国の提案により、ペルフルオロ化合物を含む製品に関する情報交換についての各国及び国際での活動拡大等が決定された。