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home>環境について>環境関連情報>地球温暖化>2030年温室効果ガス排出量26%削減への道 #14

2030年温室効果ガス排出量26%削減への道 #14

2018-11-26

~IPCC特別報告書を発表~

はじめに

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第48回総会が、10月1日(月)から6日(土)にかけて、仁川(韓国)において開催されました。今総会では、「特別報告書SR15(Global warming of1.5℃)」に関する議論等が行われ、政策決定者向け要約(SPM)が承認されるとともに、報告書本編が受諾されました。

この特別報告書では「人類は、産業革命以後に世界の平均気温が2017年には1.0±0.2℃上昇(0.2℃/10年)したことによって、世界はより厳しい気象の変動、海面上昇、北極海氷の減少などを通じて、その影響をすでに体感しています。今後、この気温上昇を1.5℃で抑えられるか、2.0℃になるかで大きな違いがあります。1.5℃の上昇に抑えた場合、夏に北極の海氷がなくなる頻度は100年に一度、2.0℃では10年に一度で収まります。また1.5℃の上昇ではサンゴ70~90%死滅、2.0℃では99%以上死滅します。しかしこのまま気温上昇が続けば2030年には1.5℃の上昇に達してしまいます」等と述べています。

今回は、このIPCCの特別報告書の概要についてお知らせしたいと思います。

気象変動に関する政府間パネル(IPCC: The Intergovernmental Panel on Climate Change)とは

まず今回の特別報告書について述べる前に「IPCC」とはどんな機関なのでしょうか。環境省によると以下のとおりです。
◆国連環境計画(UNEP)及び世界気象機関(WMO)により1988年に設立された政府間機関。現在195ヶ国が加盟。
◆報告書の作成には、世界各国の研究者数千名が参加。
◆地球温暖化に関する科学的・技術的・社会経済的な見地から包括的な評価を政策決定者等に提供。
◆総会においては、成果物である報告書の承認、今後の活動方針の検討等が行われる。
◆総会の下、第1作業部会(自然科学的根拠)、第2作業部会(影響・適応・脆弱性)、第3作業部会(緩和策)、インベントリ・タスクフォース(排出量算定方法の開発・改善を担う)が置かれている。
※筆者注: IPCC自体は独自の研究は行っていません。毎年、世界中の研究者の論文に基づき種々の報告書を作成しています。

IPCC特別報告書“Global warming of 15”の概要

IPCC特別報告書の正式名称は「1.5℃の地球温暖化:気候変動の脅威への世界的な対応の強化、持続可能な開発及び貧困撲滅への努力の文脈における、工業化以前の水準から1.5℃の地球温暖化による影響及び関連する地球全体での温室効果ガス(GHG)排出経路に関する IPCC 特別報告書」です。

IPCCは第1作業部会から第3作業部会の研究成果を定期的に報告書としてまとめて、これを公表し気候変動枠組み条約などの政策決定者に対して情報提供を行っています。現在は2013~2014年に公開した第5次評価報告(AR5)が最新版ですが、第6次評価報告書の公表に向けての作業が進行中です。今回のような特別報告書が公表されたことは異例であり、IPCCにおける危機感の表れとも受け取れます。

<特別報告書の概要>

◆パリ協定に基づき各国が目標を100%達成しても2030年に世界の平均気温上昇を
⇒2.0℃未満に抑える為には温室効果ガス(二酸化炭素換算)排出量が110~135億トン多い。
⇒1.5℃未満に抑える為には温室効果ガス(二酸化炭素換算)排出量が160~190億トン多い。
このままで推移すると、約3℃の気温上昇を招く可能性が高い。
※筆者注:日本政府の2030年度26%削減では1.5℃に抑えることはできない。さらに高い目標にする必要性がある。

◆産業革命以前と比べて現在の世界平均気温は既に1.0℃上昇しており、現状が改善されずに、このままの状況が続くと2030~2052年に世界の平均気温は1.5℃上昇してしまうと予測。

◆1.5℃未満と2.0℃未満では0.5℃しか違わないが、その差は大きく、地球温暖化を2℃未満ではなく、1.5℃未満に抑えることによって、多くの気候変動の影響が回避できることを強調しています。

表1 2100年までに1.5℃上昇した場合と2.0℃上昇した場合の予測現象の比較

 

1.5℃上昇 2.0℃上昇
夏期に北極海の海氷が消失する頻度 100年に1度 10年に1度
サンゴ礁 70~90%死滅 99%死滅(事実上全滅)
昆虫 6%の種が生息域の半分を失う 18%の種が生息域の半分を失う
脊椎動物 4%の種が生息域の半分を失う 8%の種が生息域の半分を失う
植物 8%の種が生息域の半分を失う 16%の種が生息域の半分を失う
海面上昇(1986~2005年比) 6~77cm
1,000万人が水没から逃れられる
1.5℃より+10cm
陸域、淡水、及び沿岸域の生態系が受ける影響 1.5℃と比較して2.0℃上昇で影響が出る可能性が高い
海水温の上昇、並びにそれに関連する海洋酸性度の上昇
海洋酸素濃度水準の低下
海洋生物多様性、漁業資源、及び生態系、またそのサービス機能
健康、生計、食料安全保障、水供給、人間の安全保障、及び経済成長に対する気候関連のリスク
定期的に熱波に見舞われる割合 世界人口の13.8% 世界人口の36.9%
極度の干ばつにさらされる人 1億1430万人 1億9040万人
洪水のリスク
(1976~2005年比)
2倍 2.7倍

◆オーバーシュートなしに地球温暖化を1.5℃に抑えるためには、世界のCO2排出量が、2010年比で、2030年までに約45%減少し、2050年頃には実質ゼロにすることが必要。オーバーシュートした場合には、温室効果ガス回収技術による回収が必須となる。

まとめ

(1)世界の平均気温は産業革命以前と比べて2017年現在1.0±0.2℃上昇したと推定され、実際に洪水、熱波、干ばつなどの異常気象が多発している。
(2)世界の平均気温は10年で約0.2℃上昇しており、パリ協定で目標としている1.5℃未満の上昇に抑えるためには残り0.5℃の余地しか残されていない。
(3)現状のまま状況が改善されない限り、最短で2030年、最長で2052年に+1.5℃に達してしまう。
(4)現状ではパリ協定による各国の目標が100%達成されても2.0℃未満に抑えることはできない。
(5)1.5℃未満と2.0℃未満の上昇では、種々の影響において大きな差異が生じる可能性が高い。
(6)気温の上昇を1.5℃未満に抑えるためには2030年までに、世界の温室効果ガス(CO2換算)で45%削減、2050年には実質ゼロにする必要がある。(日本の2030年26%削減では届かない)
(7)そのためには、石炭火力発電など化石燃料の使用はほぼゼロにし、再生可能エネルギーの割合を70~85%に高める必要がある。
(8)この報告書を読んでも「何とかなるだろう」というムードは一掃し、直ちに行動する必要があると警告している。

2018年12月にポーランドで開催される第24回気候変動枠組み条約締約国(COP24)において、パリ協定の目標への上積みが議論されると思われますが、2030年まで残り12年です。とかく昨今は「自国第一主義」を掲げる国が増えつつあるようですが、同じ地球に住む以上は何とか協調してもらいたと思います。
今回の特別報告書の中で、地球温暖化は「太陽や火山活動の影響もあり、温室効果ガスの増加だけでとは言えない部分もある」という表現もありますが、今なお多くの新規火力発電所の建設計画を進めており毎度「受け身」、「様子見」の我国政府ですが、具体的な地球温暖化防止対策を早急に示して欲しいものです。

引用・参考資料

  • Summary for Policymakers of IPCC Special Report on Global Warming of 1.5℃ approved by governments (IPCC、2018年10月8日)
  • Global warming 1.5℃(IPCC Special Report) (IPCC、2018年10月8日)
  • 気温1.5度上昇、IPCC警鐘 極度干ばつ1.1億人/洪水2倍 (朝日新聞デジタル、2018年10月10日)
  • 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)「1.5℃特別報告書(*)」の公表(第48回総会の結果)について (環境省、2018年10月7日)

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