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home>環境について>環境関連情報>化学物質規制・管理>WFDに基づくSCIPデータベース #2

WFDに基づくSCIPデータベース #2

2021-10-14

~ECAHが運用するSCIPデータベース~

1. はじめに

2020年9月23日付けの本コラム「WFDに基づくSCIPデータベースとは~ECHA(欧州化学品庁)が整備するSCIPデータベース~」では、「EU廃棄物枠組み指令」(Waste Framework Directive:以下、WFD)と、これに基づきECHAが運用開始に向けて試験運用を行っている「SCIPデータベース」(Substances of Concern In articles as such or in complex objects (Products)、WFDの下で確立された成形物や複雑な物質(製品)中の懸念物質に関する情報のデータベース)について解説をしました。

当該データベースは2021年1月5日まで試験運用され、データをリセットした上で本格運用される計画でしたが、2021年9月14日付けでECHAから「製品中の有害化学物質についてもっと知る–公開されたSCIPデータ」と題する最新の状況に関する発表がありましたので、概要をお伝えします。

2. ECHAの発表

以下、2021年9月14日付けECHAの報道より抜粋・引用してお伝えします。

2-1. 標題:

製品中の有害化学物質についてもっと知る ~公開されたSCIPデータ~

2-2. 内容:

製品に含有されるSVHC候補物質(非常に懸念の高い物質)に関するEU初の公開データベースであるSCIPのデータにアクセスできます。これは、消費者がより多くの情報に基づいて購入を選択できるようにし、廃棄物処理業者が物品の再利用と材料のリサイクルをさらに発展させるのを支援することを目的としています。

2021年9月14日現在、EU全体で約6,000の企業が、SVHC候補物質を含む製品についてECHAに通知するという新しい義務を順守しました。 SCIPデータベースには、400万を超える成形品の通知が表示されるようになりました。

文字が書かれている  低い精度で自動的に生成された説明
図1 REACH規則・WFD・SCIPデータベースの概念(筆者作成)

これまでに提出された情報に基づくと、データベースで最も一般的に通知される製品カテゴリは次のとおりです。

  • 機械とその部品
  • 測定器とその部品
  • 電子機器およびその部品;
  • 車両とその部品;
  • ゴム製の物品
  • 家具

通知で非常に懸念される最も一般的な物質は次のとおりです。

  • 鉛(例:ボールベアリング、バッテリー)
  • 一酸化鉛(例:ランプ、車両部品)
  • 三酸化チタン鉛(例:電気調理器)
  • ケイ化物、鉛塩(例:鉛結晶製品、車両コーティング); と1,6,7,8,9,14,15,16,17,17,18,18-ドデカクロロペンタシクロ[12.2.1.16,9.02,13.05,10]オクタデカ-7,15-ジエン、より一般的には「Dechlorane PlusTM」(塗料、接着剤など)

SCIPデータベースではブランド、製品カテゴリ、材料の種類、化学名、成形品名(部品名、部品番号)などでもデータを検索できます。 このデータは、製品に有害化学物質が含まれているかどうかを確認し、安全な使用説明書を読むことで、消費者が情報に基づいた選択を行うのに役立ちます。 廃棄物処理業者は、データを使用して物品の再利用を増やし、リサイクルプロセスをさらに発展させることができます。

「SVHC候補物質」を含む成形品をEU市場に流通させる全ての事業者は、それらをSCIPデータベースに通知する義務があります。この義務を持つ企業を支援するために、ECHAはいくつかのガイダンス文書とツールを開発しました。

2-3. 背景:

(1)REACHは「高懸念物質候補リスト」に含まれる物質(SVHC候補物質)が0.1重量%を超え含有する物品をEU域内に供給する企業は、これをECHAに通知する必要があります。この義務は2021年1月5日に発効し、2018年に改訂されたWFD(EU廃棄物枠組み指令)とも連動しています。
(2)製品中に含有するSVHC候補物質はSCIPデータベースに保存されます。これにより、廃棄段階を含む製品および材料のライフサイクル全体を通じて情報が公開されます。
(3)SCIPデータベースは、成形品の安全な使用と改善された再利用およびリサイクルを可能にする企業からのすべての技術データを提供します。これには、成形品を特定するための情報、安全に使用する方法の説明、SVHC候補物質、その場所、および、成形品が含まれている材料の種類が含まれます。
(4)現在、データベースには400万を超える成形品通知が含まれています。この数は、EUサプライチェーンの複数の関係者によって行われた同じ成形品の重複通知、および、複数の成形品に対して行われた通知をカウントします。したがって、ECHAには、データベース内のさまざまな成形品の正確な数は把握できていません。

3. 実際のSCIPデータベースでの検索例

実際のSCIPデータベースにアクセスし検索した結果の具体例を以下に示します。
まず、検索手順は図2のとおりです。


図2 SCIPデータベース操作法(筆者作成)

表1 図2の検索条件入力説明

検索入力項目

入力例

Article Identity(成形品の識別子)※複数入力可 入力:“企業名”、“Valve”、“Ball Valve”、“fitting”、“Faucet”など
Article category(成形品分類) 選択:バルブ類は「セクションXVI」、その他
Material & Mixture category(材料及び混合物) 選択:“Brass”、“Bronze”、“Stainless steel”、“lead”など
Substance of concern(懸念物質) 入力:“Lead”、“cadmium”など
Concern/Reason for inclusion(懸念と含有理由) 選択:PBT(Article 57d)など

SCIPデータベースに情報を入力している当会の正会員企業、賛助会員企業名が見つかりましたので、以下に検索条件と検索結果の具体例を示します。

【検索例1】“Article Identity” に “Azbil”を入力(他の項目は入力せず)

Article name
成形品名

Other article identifiers
成形品の他の識別子

Article category
成形品のカテゴリ

Last update
最終更新日

Details
詳細

Accessories for Photoelectric Proximity Switches

Part number: HPーB,S,U
Model: HPーB,S,U
Brand: Azbil Corporation

8538900000
セクションXVI(84-85)機械および機械器具; 電気設備; その一部; サウンドレコーダーおよび再生機、テレビ画像およびサウンドレコーダーおよび再生機、およびそのような物品の部品および付属品>電気機械および装置およびその部品。 サウンドレコーダーおよび再生機、テレビ画像およびサウンドレコーダーおよび再生機、およびそのような物品の部品および付属品>見出し| 8535、8536 |または8537の装置で単独または主に使用するのに適した部品>その他

2021-09-22

リンク

【筆者解説】検索結果はアズビル社製の光電スイッチ(光電センサ)であり、SVHC候補物質として、生殖毒性(第57条c)を有するホウ酸、及び、PBT(第 57条d)とvPvB(第57条e)を有する2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ジテルペンチルフェノール(UV-328)を含むことを示しています。そして、安全に使用するに当たり、特に注意する点はないとしています。

【検索例2】“Article Identity” に “grohe” 及び “Faucet” を入力

Article name
成形品名

Other article identifiers
成形品の他の識別子

Article category
成形品のカテゴリ

Last update
最終更新日

Details
詳細

GROHE sanitary and kitchen faucets made of brass Reference number:  GROHE sanitary and kitchen faucets made of brass 8481801100
セクションXVI(84-85)機械および機械器具; 電気設備; その一部; サウンドレコーダーと再生機、テレビ画像とサウンドレコーダーと再生機、およびそのような物品の部品と付属品>原子炉、ボイラー、機械および機械器具。 その部品>蛇口、コック、バルブ、およびパイプ、ボイラーシェル、タンク、バットなどの同様の器具(減圧バルブおよびサーモスタット制御バルブを含む)>その他の器具>シンク、洗面台、ビデ、水用の蛇口、コック、バルブ 貯水池、風呂および同様の備品>混合バルブ
2020-12-20 リンク

【筆者解説】グローエ社製の真鍮製のサニタリー及びキッチン用水栓であり、SVHC候補物質として生殖毒性(第57c条)の鉛を含有していますが、安全な使用に関しては「候補リスト物質の特定は、耐用年数、分解、廃棄物/リサイクル段階を含むライフサイクル全体を通して物品を安全に使用するのに十分です」と記しています。

 

【検索例3】“Article Identity” に “Swagelok” 及び “Fitting” を入力

Article name
成形品名

Other article identifiers
成形品の他の識別子

Article category
成形品のカテゴリ

Last update
最終更新日

Details
詳細

Swagelok Steel Fitting Reference number: S-Fitting 7307991090
セクションXV(72-83)卑金属および卑金属製品>鉄または鋼の製品>鉄または鋼のチューブまたはパイプ継手(カップリング、エルボー、スリーブなど)>その他>その他>ねじ込み>その他
2021-3-5 リンク

【筆者解説】スウェージロック社製のステンレス製継手であり、SVHC候補物質として生殖毒性(第57c条)の鉛を含んでいる事を示しています。安全な使用に当たっては「候補リスト物質の特定は、耐用年数、分解、廃棄物/リサイクル段階を含むライフサイクル全体を通して物品を安全に使用するのに十分です。」としています。

以上、当会会員企業3社によるSCIPデータベース登録例をご紹介しました。
上にも述べたように、SVHC物質含有製品をEU市場に流通させる事業者はデータベースに登録する義務があります。WFDは「指令」であり、各国の国内法に置き換えられるため、WFDの条文にはSCIPデータベースへの登録期限や罰則の規定はありません。しかし、今後は登録を怠ると、企業として信頼性喪失のリスクが高くなると予想されますので、他の会員企業もこれらの登録例を参考にしていただければと思います。
なお、SCIPデータベースへの登録手順は、chemSHERPA/JAMPによるSCIP対応ガイドラインに詳細が記載されていますので、登録の際に参照されると良いと思われます。

今回は、「Article Identity」のみを入力して検索を行いましたが、検索条件に多くの項目を入れた方が結果を絞れるようです。
逆に「Article Identity」に、「gate-valve」「one-tach-Fitting」など一般名だけを入力した場合の結果は、「成形品名」や「成形品の他の識別子」にカタログの製品記号や部品番号などが記載されているのみで、企業名やブランド名が不明で検索結果が役に立たない場合が多くあります。消費者の立場で検索する場合、事業者として登録する場合は、企業名やブランド名、製品記号を必ず記載することがデータベースの利用者に親切と思われます。

4. まとめ

(1)「EU廃棄物枠組み指令(WFD)」を施行するに当たり、ECHAが運用するSCIPデータベースが2021年1月より稼働している。
(2)2021年9月14日付けでECHAより「製品中の有害化学物質についてもっと知る–公開されたSCIPデータ」と題する最新の状況に関する発表があった。
(3)「SVHC候補物質」を0.1重量%以上含む成形品をEU域内に上市する全ての企業が、SCIPデータベースに通知(情報を開示)する必要がある。
(4)2021年9月14日現在、SCIPデータベースにEU全体で約6000の企業が400万以上のSVHC候補物質を登録しているが、重複もある。
(5)筆者が実際にSCIPデータベースにアクセスし「企業名」「Valve」「gate valve」「fitting」「Faucet」などの単語を入力して検索してみた。
(6)検索に当たっては、「成形物の識別」「成形物の分類」「材料と混合物の分類」「懸念物質」「懸念/含める理由」など、より多くの入力を行うことによって、目的とする成形物を絞れる模様。
(7)検索した結果は「成形品名:Article name」及び「成形品の他の識別子:Other article identifiers」から、本来は「どの企業の何という製品のどの部品なのか」がわかると便利だが、入力するフォーマットが決まっていないのか、検索の方法が適切でないのかわからないが「メーカー名、一般名、型番、部品番号」まで示してあるものと、「型番」や「部品番号だけ」のデータが多く、データベースとして機能しているのか否か疑問を感じた。検索条件にArticle nameで企業名、一般製品名を入力し検索するなど、使いこなして行くと良さそう。
(8)自社製品がEUに輸出される場合は、自社または現地法人がSCIPデータベースに情報を通知する義務が生じるので注意が必要。ただし、入力年月日を見ると、多くがかなり最近の日付であり、現在入力を急いでいる様子が伺える。

引用・参考資料

  • WFDに基づくSCIPデータベースとは~ECHA(欧州化学品庁)が整備するSCIPデータベース~ (日本バルブ工業会、2020年9月23日)
  • Know more about hazardous chemicals in products – SCIP data published (ECHA、2021年9月14日)
  • WFD – Waste Framework Directive SCIP Database (ECHA)
  • SCIP対応ガイドライン (ChemSHERPA/JAMP、2021年5月19日)

注意

  • 無断で本情報を二次使用すること及び転載することを禁じます。
  • 本情報は不確実な情報が含まれる可能性がありますので、本情報を利用される場合は参考文献及び引用先の情報も合わせてご覧のうえ、自己の責任において判断をお願いします。
  • 英文による引用・参考資料部分においては、英語の専門家でない筆者が仮和訳していますので、本情報を重要な場面で利用される場合は、引用先の原文を参考に自己責任にて判断願います。
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