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環境関連情報

今後の飲料水水質基準等の見直しの方向性について(2)

WHO「飲料水水質ガイドライン」の改正状況

情報発信日:2009-04-07

WHO「飲料水水質ガイドライン」

世界各国が自国の「飲料水水質基準」のよりどころとするWHO(世界保健機関)による「飲料水水質ガイドライン(Guidelines for Drinking-Water Quality:以下『GDWQ』と略)」は2004年に10年ぶりの大幅な改正が行われ第3版が発行されました。
 GDWQは過去においては定期的な改正が行われて来ましたが科学の進歩に伴い第3版(Third Edition)以降は逐次改正方式(Rolling Revision)が採用され、ほぼ毎年開催されている飲料水水質委員会(DWQC)において「課題項目」が連続的に審議される様になりました。委員会においては結論が出たものについては「審議完了」として「課題項目」から除外され、GDWQの改正が必要な場合は「追補版(Addendum):新しい追補版発行は18ヶ月毎を目標している様です」が公開され一定期間のレビューを受けた後に本編に取り込まれて行くようです。結論が出ず審議が完了しない場合は「継続審議課題項目」として翌年に持ち越されます。
 「逐次改訂方式」はこの科学の進歩の早い時代においては合理的な方式だと思われますが、利用者にとっては、「現時点で正式なガイドラインの範囲はどこまでか?」と言う点ではWHOのウェブサイトを定期的に閲覧して多くの資料を詳細に調べ、かつ時系列的に並べないと「審議中」「継続審議」「決定」などの状況において判り難い面が有るように思われます。

(注1)
WHO発行の資料はウェブ上では公開日が不明確ですが大半がPDFファイルであるため、プロパティから資料の作成年月日が判りますので、およその公表日は知ることが出来ます。しかし審議日、決定日などとかなりズレも有りますので「最新のデータがどれなのか?」と言う点では把握し難い点が有りますので注意が必要です。

GDWQ第3版以降の動き

GDWQの内容は大きく分けて以下の3つに分類されます。
 (1) 水道の運営・管理に関する事項
 (2) 微生物に関する事項
 (3) 化学物質に関する事項
さらに例えば「化学物質」に関しては
 a 原水中に含まれる化学物質に関するもの
 b 浄水処理において使用する化学薬品や消毒により生成する副生成物に関するもの
 c 浄水処理施設や給水器具の接水部材から溶出する化学物質に関するもの
我々にとって最も関心が有るのは(3)-cに関するところだと思われます。 残念ながら、全てが正確に把握されている訳では有りませんが、大きな流れについて以下、概説します。

WHOウェブサイトから読み取れる現在の状況

例えば「第3版で継続審議になっているニッケルの滲出に関する情報及び第4版で何が新規に規制対象に審議されているか?」と言う仮定でWHOウェブサイトより関連資料をダウンロードしてみたところ以下の資料が入手出来ました。


(注2)
最下段の「Expert Consultation for the 4th Edition of the Guidelines for Drinking-water Quality(GDWQ第4版の為の専門家会議)には「第3版の第1追補は2005年5月9日から13日までの会議で確定し2006年に発行された。」「第3版の第2追補は2006年5月15日から19日までの会議で確定し2007年に発行される」と記述されています。

(注3)
本情報発信時点で「GDWQ第1追補を取込んだ第3版」では「ニッケルのガイドライン値は0.07mg/ℓ」が明記されています。

(注4)
「GDWQ第4版の為の専門家会議」には「ニッケルなど4物質は第2追補から削除され第4版に移される」旨の記載が有ります。

GDWQ第4版について

 (1) GDWQ第4版を発行するための専門家会議は2007年5月7日から11日までベルリンで開催されました。
 (2)上記の会議における決定事項などの概要は以下の通りです。
 (2)-a 「制御と管理」「生物面」「化学面」の3つのWGでは約160項目についての審議が行われ内60項目について第4
      版に「新規」または「改正」として組み込まれる。
 (2)-b 化学物質に関する事項は以下の通り(但し農薬は除く)
 (3)出版時期は2009年度内と推定されます。


その他、主なところでは「塩ビモノマー」や「ストックホルム条約」において製造禁止/制限使用の対象物質候補に挙がっているPFOSやPFOA及びなどが継続して審議される模様。

参考文献及び引用先

注意

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