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環境関連情報

LCA(ライフサイクルアセスメント)について

情報発信日:2003-10-27

LCAの背景

近年、地球温暖化をはじめとする地球全体の環境問題が顕在化し、有限な地球の環境や資源に与える影響の大きさが広く認識されるようになりました。これにともない、大量生産、大量消費、大量廃棄の反省として、製品のライフサイクル全体における環境負荷を減少させながら、製品の性能あるいは経済的付加価値を高める(環境効率の向上)ことの重要性が指摘されるところとなり、製品のライフサイクルを通じての環境負荷ならびに環境影響を定量的に評価するライフサイクルアセスメント(LCA)手法が開発され、国際標準化も進められるなど、わが国でもLCA手法の普及が進むようになりました。

LCAとは

LCAとは「ライフ・サイクル・アセスメント(Life Cycle Assessment)」のことで、直訳すると「(製品やサービスの)一生の(環境への影響)評価」ということになります。ちょっとわかりづらいかもしれませんので、順を追って説明をしたいと思います。

ここでいう「一生の評価」とは、製品を企業が製造する過程だけではなく、製品に使用される原料の採掘段階から、製品に使用される部品や材料が製造・精製される過程、製品が出荷され消費者に届けられる過程、消費者が使用し、修理・メンテナンスを受ける過程、さらには製品が消費者の手を離れて廃棄やリサイクルされるまでのすべての過程における(環境への影響)評価を意味します。

LCAに関する二つの概念

LCAは二つの重要な概念により成り立っています。一つの重要な概念は、物事を俯瞰でみるということです。従来は、製品の環境に対する負荷は製品を製造する過程における大気汚染、水質汚濁、有害化学物質などいわゆる公害という形で、環境負荷に対する一部の側面のみが捕えらえられてきました。たとえば、自動車や機械を製造する過程でどんなに省エネ活動、有害物質排出抑制活動などを行なっても、その結果物としての製品を利用することによりエネルギー消費が大きい、有害物質を多量に排出物する、リサイクルが難しいなど環境負荷が大きい場合にはトータル的に見て意味がないことを意識することです。過去においては、さまざまな分業のなかで個々の最適化を追及してきたたことへの反省がここにあります。

もう一つの重要な概念は「自然と人工」の区分を明確に意識している点です。LCAにおいて、「製品の一生」は、「自然の領域」から「人工の領域」への資源の移動で始まり、「人工の領域」から「自然の領域」への物質の移動で終わります。LCAの考え方はこの「自然の領域」に始まり「自然の領域」で終わる「製品の一生」を意識することにあります。

わが国におけるLCA

わが国においては経済産業省が「LCA手法の確立」と「LCAデータベースの構築」を図ることを目的として、平成10 年度より5ヵ年の国家プロジェクトとして「製品等ライフサイクル環境影響評価技術開発」(通称LCAプロジェクト)を開始することを決定しました。このLCAプロジェクトは新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)をとおして社団法人産業環境管理協会に委託され、平成15年3月に終了しました。

LCAデータベースについて

このデータベースは簡単にいうと、企業が製造する製品が一生のうちにどの程度の二酸化炭素を排出するかを計算することを目的とし、当該製品に使用される原料、材料や部品などついて個々の単位当り炭酸ガス排出量を算出しデータベース化したもので、現在一般に公開されています。

今後について

現在のところ、このデータベースがどのように利用されるかは明確になっていませんが、経済産業省ではNEDOを通じ、今後この3年間でこのデータベースの検証を行なうことを計画しており、課題の抽出やデータベースの修正を行ない、何らかの形で運用が開始される見込みです。

いずれにしても、地球温暖化防止のために炭酸ガスなどの排出量削減は世界的な緊急課題であり、一部の企業においてはこのデータベースを利用して自社製品のLCA計算を始めているようです。

注意

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