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環境関連情報

地球温暖化がもたらすもの#1

気候変動による水資源への影響

情報発信日:2007-07-25

地球温暖化と気候変動

世界各国が温室効果ガス放出量の削減に向けて努力を払っていますが、地球が温暖化する傾向は依然として続いています。「100 年間に平均気温が0.6℃上がったって、海面の水位が10cmや20cm上がったって、たいしたことじゃないのでは?」と、あまり深刻に考えない人も多いかと思います。しかし、温室効果ガス放出量増加になんらの対策も講じない場合には、次の100年間、すなわち、2100年末には平均気温が1.4~5.8℃上昇、海面は9~88cm上昇すると計算されています。この数字をみただけでは「そんなに大きな異変」という状況もみえてこないかもしれません。

しかし、この気温の上昇は「単に気温が上昇するだけ」ではなく、大気の流れや海流の流れの活発化や変化に結びつき、これにより大きな気候の変動が起き、その結果は「大干ばつ」「熱波」や「集中豪雨」「大型の台風やハリケーンの発生」といった異常気象の多発につながることになると推定されています。

ここ数年の日本の気象においても、2004度は連続40日もの真夏日を記録したり、日本列島に上陸した台風の数が過去最多を記録したり、さらには過去では考えられなかったような季節外れの大型台風も発生しています。2005年には春から夏にかけて、東日本の太平洋側や西日本で極端な少雨となり、西日本を中心として広い範囲で渇水状況となりました。

また世界的にみても、欧州熱波による死者の発生、米国ミズーリ州での大型ハリケーンによる大洪水、今年豪州での干ばつなど気候変動による災害は枚挙に暇がありません。

気象変動が水資源に与える影響

国土交通省土地・水資源局水資源部が毎年8月1日の「水の日」及びこの日を初日とする「水の週間」に合わせて、わが国における前年の水資源状況に関する報告書を公表していますが、平成17年(2005年)版は副題が「気象変動が水資源に与える影響」です。

この資料によると、

「地球温暖化が水資源に直接及ぼす影響は多岐に渡ります。気温が上昇すると、まずは蒸発,降雨といった地球上の水の大循環に直接影響を与えますので降水量ひいては河川流出量そのものが変動します。また、地域によっては早期の雪解けにより融雪出水が早まったり極端な場合にはなくなったりもします。一方、気温の上昇にともない、生活用水の需要が一般にはのびるほか、田植えの時期が変化して最も水が必要となる代掻き期がずれるといったことも予想されます。水温も上昇するので生態系の変化や水質の悪化も懸念されます。年間の総流出量に変化がみられなくても、需要と供給のバランスが少し時期的にズレただけでも渇水に見舞われる恐れがあります。」

と述べられています。

日本における水資源の問題

また、国土交通省の上記報告書では、気象変動によりわが国の降水量はあまり変化しないが、偏在化がより顕著になり、季節や地域によって「異常多雨」「異常寡雨」という状況が起こりうるとしています。

とくに、わが国は河川距離が短いために河川から直接取水する機会が短く、ダム建設などにより河川の流量を調節していますが、あまりにも降雨量や降雪量が偏在化した場合には調節不可能になってしまいます。

このような降水量の極端な変化は大洪水または大渇水を招く危険性がありますが、生活用はもちろんのこと、工業用途・農業用途には生活用水以上の量の水が使用されますので、気候変動はわれわれの生活に大きな影響を与えることになります。

世界における水資源問題

「そうはいっても日本は色々準備しているから大丈夫だろう」と思う方もいるかと思いますが、皆さんご存知のとおり、わが国は食糧の自給率が先進国のなかでも最低で30%を下回っています。しかし、農作物や食肉などの食糧を得るためには膨大な水を必要とすることをご存知でしょうか? 日本の平均的な家庭における生活用水は約900リットル/日といわれていますが、牛丼1杯をつくるのに実に9,000リットルもの水が使われている計算になるそうです。

日本人が生活用水、工業用水、農業用水として使用する水の量は年間900億トンですが、野菜や穀物、食肉などとして輸入する食糧生産のために使用される水の量は年間1,000億トンに上ると計算され、日本は隠れた水の輸入大国だということがわかると思います。したがって、日本が食糧を輸入している国々での干ばつや渇水は日本への食糧供給がストップすることを意味します。

世界の国々では人口の増加と降雨量の偏在により、すでに地球の総人口60億人のうち11億人は水不足に悩まされています。

気候の変動がないと仮定しても、降雨量からして、この地球上には70億人分の水しかありません。これ以上の気候変動による降雨量の偏在化が起これば、さらに水不足に悩まされる人々が増加し、その影響は日本に対しても「食糧の供給不足」というかたちで返ってくることを忘れてはならないと思います。

参考文献及び引用先

注意

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