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環境関連情報

炭酸ガス濃度は観測史上最高濃度

京都議定書の効果確認できず

情報発信日:2006-11-30

2005年炭酸ガス濃度は観測史上最高値に達した

2006年11月3日に世界気象機構(WMO)は「地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の大気中濃度が昨年(2005年)は世界平均で379.1ppmとなり、前年を2ppm上回って観測史上最高に達した」と発表しました。

大気中の温室効果ガス濃度に関する世界気象機構(WMO)の調査報告書によると、「二酸化炭素(CO2)とともに温暖化に影響を与える一酸化二窒素(N2O)も前年と比べ0.19%増加して観測史上で最高値の319.2ppbに達し、メタンは1783ppbで前年と同じ」です。京都議定書に基づく温暖化放出ガス削減効果が現れていない現状が浮き彫りになりました。

また、WMOによると「18世紀後半の産業革命後、二酸化炭素(CO2)濃度は石炭や石油など化石燃料の消費増大がおもな原因となって35.4%も増えた」と報告したうえで、同機構の専門官は「温室効果ガスの濃度は当分の間、増え続けるだろ」と予測し、さらに残念ながら「京都議定書は温室効果ガスの増加の対策としては不十分であり、なにか劇的な方策を講じないと削減には結びつかない」とも述べています。

地球温暖化、経済リスクは大恐慌なみ?

2006年11月4日、英国政府は「地球温暖化による経済的な混乱は、世界大戦や20世紀前半の大恐慌並み」という内容の刺激的な報告書をまとめて発表しました。「地球温暖化効果ガスの排出がこのまま継続すれば、洪水や干ばつなどの異常気象が頻繁に発生して、世界の国内総生産(GDP)が20%以上も失われる可能性がある」と試算しています。そのうえで「破滅的な状況を避けるため、環境対策投資を経済成長を保つための投資と位置づけて、世界中で取り組みを急ぐことが必要」と求めています。

この報告書をまとめた英国政府の経済顧問で、元世界銀行チーフエコノミストのニコラス・スターン氏は「地球全体の気温が22世紀までに5度以上高くなる確率が、5割を超えている」と絶望的な予測をしており、各国が足並みを揃えて今以上の対策を取る必要性が高まっていると述べています。また、スターン氏は「温暖化によって氷河が溶け出し、世界の6人に1人が洪水や水不足の危機に直面し、アフリカなどでは作物の被害が深刻となり数億人が食糧不足に飢えるだろう。東京など海岸沿いの地域では海面の上昇が深刻な問題になり、2億人が居住地を失う」との悲観的な予測も示し、さらに「GDPが20%以上も失なわれる損害を考えれば、各国政府がGDP1%程度の投資を地球温暖化対策に行うのは、むしろ安い」とも述べています。

2030年にはCO2排出5割増か?

2006年11月7日に日米欧の26ヶ国が加盟する国際エネルギー機関(IEA、本部パリ)は、2030年までの世界エネルギー需要の見通しを示した「世界エネルギー・アウトルック2006」を発表しました。これによると「世界の1次エネルギー需要は2030年までに50%以上増加する」と予測。「このうち70%は途上国によるもので、中国だけで30%を占める」としています。世界の1次エネルギー需要の増大で、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素(CO2)の排出量は2030年までに毎年1.7%ずつ増加し、この結果、現在より55%強も増えると指摘。増加分の75%は途上国が占め、なかでも石炭依存が高い中国は2020年までに米国を抜いて、最大のCO2排出国となると予測しました。

一方、原子力発電については2030年までに世界の総出力は13%以上増加し、1次エネルギー供給において重要な役目を果たすだろうとの見解を示しました。原子力発電の推進などCO2排出量削減など代替政策が実施出きれば、2030年の1次エネルギー需要は約10%低下、「世界経済はより少ないエネルギーで繁栄できる」と見通しを示しています。

二酸化炭素封入新技術

以上、最近の新聞記事やニュースなどをみると、温室効果ガスは増加予測ばかりで有効な削減対策はないようにも思えますが、一つ面白い記事が目を引きましたのでご紹介したいと思います。

二酸化炭素(CO2)を海底などの地中に封じ込める地球温暖化防止技術について、日本政府は、国内でも取り組めるよう関係法令の改正に乗り出すと発表しました。廃棄物の海洋投棄禁止を定めたロンドン条約に関する会合で、2006年11月3日、CO2の海洋廃棄を認めることが決定されました。2006年11月6日からケニアで行われた京都議定書締約国会合でも、この技術が温室効果ガスの排出削減策として議題にのぼり、現実味を帯びてきたためです。

たとえば火力発電所や製鉄所など大量のCO2を排出する場所からパイプでCO2を運び、気体が漏れない地層の下に送り込みます。陸地の油田や炭鉱跡のほか、深さ1000メートル程度もの海の下の帯水層への貯留も考えられています。

中東の産油国などでは、油井にCO2を注入すれば、その圧力によって多くの原油が回収できるとして、以前から実施されてきた技術ですが、大気中のCO2を抑える温暖化対策としても、最近注目を集めるようになってきました。

専門家の計算によると、世界では2兆トン以上のCO2を貯留できる可能性があるとのことで、この量は世界の総排出量の約100年分に匹敵するとのことです。日本国内でも50~1500億トンもの貯留の可能性があると計算されるようです。

ただし、長い年月の後に地表や海面に漏れ出てくる可能性が否定できないために、地道なCO2の削減努力を安易に放棄させるべきでなく、安易に過度の期待をするべきでないという慎重な意見はあるものの、コストさえ合えば当面期待できる技術といえそうです。また、環境省と経済産業省は2006年9月以降、相次いで研究会などを設置し、対策にかかる費用や環境に与える影響などについて年度内に報告書をまとめる予定です。

ロンドン条約では、放射性廃棄物など海洋投棄を禁ずる品目を付属書に列挙。1996年には、海洋汚染への関心の高まりから投棄を原則禁止とし、逆に例外的に投棄を検討できる品目を定める方式にした議定書が採択され、2006年3月に発効しています。日本は議定書を批准していませんが、今般ロンドンで開かれた会合において例外品目にCO2が追加されたため、これを契機に、海洋汚染防止法や廃棄物処理法などを改正し、批准をめざす方針です。

ケニアのナイロビで2006年11月6~17日まで開かれた京都議定書の第2回締約国会合では、上記の貯留技術で減らしたCO2量を、先進各国が課されている温室効果ガスの削減分にあててよいかどうかが議論されました。排出量の削減に関する国際的な枠組みがない2013年以降の取り組みや、途上国で温暖化被害にどう対応するかという二大テーマと並んで、このCO2貯留技術も注目を集めました。

情報源・出典・参考情報

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