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環境関連情報

中国版RoHS施行迫る

2006年2月28日公布、2007年3月1日施行

情報発信日:2007-02-08

中国版RoHS 電子情報製品汚染制御管理弁法施行

中国では現在、日本の環境基本法に相当する「中華人民共和国環境保護法(施行1989年12月26日)」を基本にして、環境関連法の整備が進んでいます。工場の排水、廃棄物など工場からの汚染防止に対する法規制と並行して、実際に生産される製品及びその廃棄に対しても日本の化審法、EUのREACH規則に相当する「新化学物質環境管理法(施行2003年10月)」や、税関検査に適用される「中華人民共和国輸出入商品検査法(改正2002年4月)」など化学物質規制に関する法規制も進んできています。なかでも、2002年後半より中国信息産業部(情報産業省)、中国国家発展改革委員会、商業部など6つの中央省庁が共同で検討を行い、国内外から大きな関心が寄せられながら何度もその公布時期が変更になった「電子情報製品汚染制御管理弁法」(以下「本弁法」と省略)は、その内容がEUのRoHS指令と似ていることから「中国版RoHS」ともよばれていますが、難産の末に2006年2月28日公布され、2007年3月1日から施行されることが複数の情報より確認されました。

中国版RoHS制定の背景

まず、本弁法制定と施行の目的ですが、当局によると「電子情報製品廃棄物による環境汚染を規制・軽減しながら、環境と人民の健康を保護する」「電子情報製品による汚染規制の法制化」「電子情報製品に含まれる有害物質の代替と廃棄物減量促進」としていますが、中国製品のグローバル化のためには「EUのRoHS指令など国際的な環境対応政策へ積極的に対応せざるを得ない状況に対応する」という意味合いも大きいものと思われます。

中国版RoHSの特徴(欧州RoHSとの違い)

本弁法は、欧州RoHSや日本のJ-Mossなどと大きく違う点がいくつかあります。

規制対象製品の違い

規制対象物質の違い

規制対象物質はRoHS規制6物質(鉛、水銀、カドミウム、6価クロム、PBB、PBDE)及び「国家が指定する有害物質」を追加。

安全使用期限の設定

欧州RoHS指令と異なり「電子情報製品に含有する有毒有害物質の漏洩、変化により、電子情報製品のユーザの環境、身体または財産に損害を与えない期限」を安全使用期限として設定。

実施は2段階で行う

第1段階(第1段階は有害物質含有表示の義務付け:日本のJ-Mossに似ている)

まず、対象製品の生産者と輸入者は、製品に有害物質を含有する場合はその明記が義務づけられます。「電子情報製品の生産者、輸入者は、自ら販売する電子情報製品に含まれる有害物質あるいは元素を明記せねばならない。有害物質あるいは元素の名称、含有量、部品、リサイクルの可否を明記せねばならない。製品体積と機能から製品本体にて明記できない製品は、取扱説明書にて明記せねばならない」としています。また、包装材料についても「包装材料名の明記と、有害物質あるいは元素を規制する国家基準と業界基準の厳守、無害物質と自然分解可能な物質及びリサイクル可能な材料の使用」が義務づけられます。

【第2段階】(第2段階は強制認証管理の実施)

有害物質の含有に対して強制的な認証管理が行われることになります。信息産業部など中央省庁は「電子信息産品汚染控制重点管理目録(電子情報製品汚染重点管理目録)」(以下「管理目録」)を編成し、状況に応じてこれを増減する。「管理目録」にリストアップされる電子情報製品に対しては、国家認証認可監督管理委員会が法律に基づき、強制製品認証管理を行わねばならない。従来、中国では一部の電気・電子機器をはじめとする製品の強制認証制度を実施してきましたが、中国版RoHSの対象製品について強制認証制度を適用する予定といわれています。

有害物質規制実施時期の未設定

ただし、認証管理が実施される時期については、信息産業部など中央省庁が産業発展の実情を踏まえて公布するとされているだけで、明確な実施時期について現段階では規定されておらず、企業の対応状況を見極めてから実施するものと思われます。強制認証制度が適用されると事業者は、認証を取得するため、1製品当り約50万円程の負担を強いられることになるようです。

製品に含有する化学物質の量や安全使用期限の表示も求められるようです。さらに、表示するデータは中国政府が指定する18ヶ所の機関が測定したものでなければなりません。

企業における化学物質規制への対応

欧州RoHS指令やREACH規則に端を発したかたちで、世界各国及び工業会単位あるいは企業単位で種々の有害化学物質規制の動きが加速してきています。

このように様々な有害化学物質規制に対応するために、単に「基準値を満たした製品をユーザに提供」することだけではなく、組織管理、環境管理、および、品質管理等を含めた総合的な対応策を講じる必要が強まりつつあります。

これは、「単純に基準に適合すればよい」という考えから「十分な努力が払われているか?」が問われる時代に入ったということを意味します。企業は製品・部品、および、原材料の提供者に対して、試験機関の測定データのみではなく、相手企業の「十分な努力が払われているかどうか」の確認を行うことが重要となっていることを意味します。ここでいう「十分な努力が払われている」とは、おもに下記の内容が考えられるといわれています。

第1番目は「社内における化学物質に対するマネジメントシステム構築」です。すなわち「社内における従来の品質マネジメントシステムや環境マネジメントシステムと整合性をもった化学物質マネジメントシステムを構築することによって、自社製品の各販売地域での法規制、ユーザ企業におけるグリーン購入基準に関する情報などを収集・分析を行い、その結果に基づいて、地域ごと及びユーザごとの対応策を講じる必要が生じるからです。品質マネジメントや環境マネジメントと同様に社内組織の責任体制を明確にすることが重要ポイントになります。

たとえば、技術開発部門は、技術面で規制をクリアできるかどうかについての検討・対応策を講じる。購買部門は、これらの規制に基づいて社内の規定を策定し、仕入先に対する要求事項を明確にする。さらに、品質管理部門は、原材料管理に関する規定を策定し、グリーン原材料と一般原材料の管理・利用手法を定め、社内におけるグリーン原材料の汚染回避を図るなど、役割と責任を明確にすることが重要です。

第2番目は、有害化学物質を含まない部品や原材料を調達するための自社の調達網(グリーンサプライチェーン:以下「GSC」)とのコミュニケーションをいかに上手に図るかにあります。社内対応のリスク管理は比較的容易ですが、調達先に対するリスクアセスメントは、相手企業の内部に入らなければ管理状況を把握することが困難な場合が多いと思われます。したがって、各企業は調達先に対して「グリーン調達が相互の利益に繋がることへの理解」を深めてもらう努力や、化学物質マネジメントの手法に対する指導などを定期的に行うことにより、リスクの低減を図ってゆく必要があります。企業にとっては、質の良いGSCを構築し管理することがリスク低減に繋がることになりますが、GSCの構築には調達先の理解と実施に大きな時間と努力が必要になるため、短期間に構築するのは難しいものがあり、早めの準備が必要になります。

第3番目には、ITを利用して膨大なこれら有害化学物質管理のシステムを構築する必要性があります。世界各国、工業会単位、あるいは個別企業ごとに規制物質やその量が異なることや、今後欧州REACHが施行された場合に対象化学物質が膨大になること、自社製品を部品・材料単位で含有量を管理し、顧客へのデータ提供やトレサービリティ管理を正確に行うためには、とても手作業でできる状況にはありませんので、管理ソフト会社やコンサルなどの支援を受ける準備も必要になるかと思います。

いずれにしても、きわめて近い将来、すべての企業において「化学物質マネジメント」の構築は事業を行ううえで必須の事項になるものと思われます。

情報源・出展・参考情報

注意

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