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環境関連情報

企業活動における有害化学物質管理について #2

有害化学物質と法規制情報の取得

情報発信日:2015-03-27

はじめに

2015年2月18日付け本コラムにおいて「化学物質は同一の物質であるにも関わらず種々の名称を有していたり、異性体が存在したりする。このため有害化学物質規制に対応するためには、『CAS登録番号』を用いた識別・確認・管理を行うことが必須である」ということを述べました。

今回は、この「CAS登録番号」を用いて当該化学物質に関する種々の情報や、関連法規制の有無などを確認するための実務的な手法について、具体例をいくつか紹介したいと思います。

 

CAS登録番号から化学物質の情報や関連法規制情報を得る

1. 一般社団法人化学情報協会の利用(有料)

CAS登録番号は米国化学会 (American Chemical Society) の情報部門である Chemical Abstracts Service (CAS)が様々な名称を有する化学物質を識別するために登録・管理していますので、CAS登録番号から該当する化学物質の物性を調べるためには、CASのホームページから検索するのが一番確実な方法です。日本においては、(一社)化学情報協会が有料にてCAS番号の登録代行や検索のサービスを行っています。

2. 化学情報協会以外の利用(無料)

化学情報協会以外でも無料でCAS登録番号の検索は可能なサイトがありますので、以下に紹介します。 ただし、情報量や情報の正確性に問題がある可能性もありますので、複数のサイトを利用するか、または最終的には化学情報協会を利用することをお勧めします。

(1) 独立行政法人製品評価技術基盤機構の化学物質総合情報提供システムCHRIP) の利用

製品評価技術基盤機構は経済産業省所管の独立行政法人で、主な業務は工業製品などに関する技術上の評価や品質に関する情報の収集・提供などを行っています。特に化学物質管理に関する法令の施行支援や化学物質情報の収集・提供、化学物質のリスク評価、管理、コミュニケーション手法などの検討、工業製品・原材料の試験所や標準物質の分析試験所、長さ・電圧などの計測機器の校正機関、標準物質生産者等に対して、その機関の能力の有無を第三者証明する(いわゆる認定)業務などを行っています。最近はバイオテクノロジー関連の業務も行っています。

化学物質総合情報提供システムの利用により得られる情報は以下の通りです。

(2) 独立行政法人 科学技術振興機構の日本化学物質辞書Webの利用

科学技術振興機構は文部科学省所管の科学技術の振興を目的とした独立行政法人で、新技術の創出に資することとなる科学技術(人文科学のみに係るものを除く)に関する基礎研究、基盤的研究開発、新技術の企業化開発等の業務及び我が国における科学技術情報に関する中枢的機関としての科学技術情報の流通に関する業務、その他の科学技術の振興のための基盤の整備に関する業務を総合的に行うことにより、科学技術の振興を図ることを目的としています。

(3) 一般社団法人日本化学工業協会の化学物質リスク評価支援ポータルサイト「JCIA BIGDr」の利用

(一社)日本化学工業協会(日化協)は、化学品の製造・取り扱いおよびその関連事業を行う約170の企業会員と約80の団体会員(個別製品または製品群を扱う団体が主体)によって構成されています。「産業と社会の共生・共栄」の基本理念のもとで、健全なる業界の発展・わが国の繁栄・国民生活の向上への貢献などを使命に掲げ、60年以上にわたり精力的に事業活動を続けてきています。

また、世界各国の化学工業団体で構成されるICCA(国際化学工業協会協議会)の日本代表メンバーとして、環境・化学品安全問題、地球温暖化対策など、世界の化学企業・工業会に共通する諸課題の解決に自主的に取り組んでいます。(日化協ホームページより)

 

まとめ

(1) 以上の他にも検索可能なサイトはありますが、情報は常に変化しています。無料のサイトは最新の情報に更新されていることを保証していませんが、簡易な検索法として利用する場合でも上記のような信用のおけるサイトを利用し、かつ複数の情報によって確認するのが良いと思われます。
(2) 上記のような各サイトにおいては「免責」の注意書きがあるように、1億数千万種類の化学物質が存在していますので、情報の記載漏れや、更新漏れ、誤記などの可能性があります。その点は考慮して情報収集する必要があります。
(3) これらの点を注意して、本来は社内に独自の化学物質管理のデータベースを構築する必要があると思われます。
(4) 企業向けの「製品含有化学物質管理」のための支援業務・ソフト販売も行われていますので、自社でのデータベース構築が困難な場合には、これらのシステムを導入するのも手かと思われます。
(5) 次回は、国内外における有害化学物質管理の動向について解説したいと思います。

引用・参考文献

注意

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