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環境関連情報

環境ホルモンについて

情報発信日:2004-06-17

環境ホルモンとは

環境ホルモンとは、生物の内分泌機能に影響を及ぼす化学物質であり、簡単にいうと、環境中に放出された化学物質が体の中に入り、われわれがもつホルモンと同じような働きをしたり、ホルモンの働きを邪魔したりする物質です。

環境ホルモンは非常に微量で作用し、体内に蓄積するものがあったり(生物濃縮)、母親から子どもに移行して次世代に影響したりします。他の有害物質のように急性毒性があるわけではなく、子どもが大人になってから発現するなど、影響がわかりにくく、因果関係の解明がむずかしくなっています。

また、現在、内分泌撹乱作用が疑われている化学物質は約70物質あります。しかし、われわれの身のまわりには約5万~8万種という多くの化学物質が存在しており、たまたま文献があったものが約70ということにすぎません。影響が不明なものがまだ多く、さらにリストに追加されてゆくことになると思われます。

環境ホルモンは多種類あり、影響を及ぼす機構・作用、体内蓄積度合い、分解のされやすさ等はさまざまです。雄と雌で感受性に違いがあるものあります。また、細胞レベルで観測した現象と実際の人間への影響の関係、及び、野生動物におこっている現象が人間にも同様におこるかどうかについても、不明確な部分があります。

代表的な環境ホルモン物質

環境ホルモンとして疑われている化学物質の代表的なものとしては、ノニルフェノール、オクチルフェノールなどのアルキルフェノール類、ビスフェノールAを含むビフェノール化合物の一部、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジブチルなどのフタル酸化合物があります。

ビスフェノールAとは?

ビスフェノールAは、1891年にDianinによってアセトンとフェノールから初めて合成されました。1923年にドイツで樹脂コーティング用途のために生産が開始され、エポキシ用途に使用されはじめた1945年ごろから、ビスフェノールAの大量生産が始まりました。用途としては、国内需要の構成は、1. ポリカーボネート樹脂向け(73%)、2. エポキシ樹脂向け(22%)、3. その他、であり、ポリカーボネート向けが主となっています。ポリカーボネート樹脂は、自動車部品、CD等のディスク、シートや窓ガラス等、広く使用されています。エポキシ樹脂は、コーティング、積層板、接着剤等に使用されています。

ビスフェノールAは、酸性触媒の存在下でフェノールとアセトンの縮合反応により製造されます。

ビスフェノールAの安全性について

安全基準としては、ビスフェノールAは食品衛生法によってポリカーボネート製食器からの溶出基準が、2.5ppm以下と定められています。この算出方法は以下の考え方に基づいています。

化学物質の安全基準を設定するには、上記の生殖影響試験のほかに、発がん性試験、催奇形性試験、及び、慢性毒性試験等を行います。ビスフェノールAについてもこれらの各種試験が行われています。生殖影響試験では50mg/kg/日で影響がみられず、慢性毒性試験では50mg/kg/日でわずかに体重の減少があったほかは影響はみられませんでした。これらの結果から、50mg/kg/日を基準にして、安全係数1/1000を掛けた0.05mg/kg/日をヒトでの許容摂取量としました。すなわち、ヒトが一日に体重1kgあたり、生涯摂取し続けても影響がない量は、0.05mgということです。日米欧とも同じ値を採用しています。

日本の場合、成人の体重を50kgとしていますので、一人一日あたり2.5mg以下なら影響ない用量ということになります。食品を一日あたり1kg摂取するという前提をおいていますので、ビスフェノールAとしては2.5ppm以下の溶出なら影響ないということになります。

なお、女性ホルモン様作用があることを考慮すると、この許容摂取量では不十分ではないかという質問を受けることがありますが、生殖影響試験を実施したうえで決めた値であるので、現行の基準を変更する必要はないと考えます。

人間への影響としては、わが国でポリカーボネート製の哺乳ビンや食器からの溶出試験がかなり行われていますが、通常の使用条件ではビスフェノールAは不検出か、検出されても数ppmであり、食品衛生法の溶出基準よりはるかに低い値です。したがって、ヒトの健康に影響はないレベルです。

1998年11月の厚生省の「内分泌撹乱化学物質の健康影響に関する検討会」では、ポリカーボネートから溶出するレベルのビスフェノールAがヒトの健康に重大な影響を与えるという科学的知見はなく、現時点において使用禁止等の措置を講ずる必要はないとしています。

フタル酸エステルについて

一般的にフタル酸エステルは、可塑剤として使用されています。可塑剤とは、ある材料に柔軟性を与えたり、加工をしやすくするために添加する物質のことです。粘土細工では粘土に水を与えて軟らかくしますが、その場合の水と同じような働きをするのが可塑剤というわけです。

可塑剤はおもに、塩ビを中心としてプラスティックを軟らかくするために用いられ、そのほとんどが酸とアルコールから合成される化合物(一般にエステルとよばれるもの)です。常温では一般に無色透明の液体ですが、わが国の年間生産量はおよそ50トンです。

注意

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