ホーム > 知ってなるほどバルブと水栓 > 環境関連情報 > 残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)改正へ向けて

環境関連情報

残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約
(POPs条約)改正へ向けて

情報発信日:2008-12-02

残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)とは?

ストックホルム条約とは、環境中での残留性、生物蓄積性、人や生物への毒性が高く、長距離移動性が懸念されるポリ塩化ビフェニル(PCB)、DDT等の残留性有機汚染物質(POPs:Persistent Organic Pollutants)の、製造及び使用の廃絶、排出の削減、これらの物質を含む廃棄物等の適正処理等を規定している条約です。

条約の主な目的は残留性有機汚染物質(POPs)から人の健康と環境を保護することを目的としています。

規制の種類としては以下3種類があります。

ストックホルム条約(POPs条約)改正の動き

2009年5月に予定されている第4回締結国会議(POP4)において、規制物質を追加する動きがあります。

従来の規制物質は上記のとおり殺虫剤や農薬などわれわれの業界にはほとんど影響を与えない物質でしたが、今回検討されている追加物質には、2008年3月に報告した 残留性フッ素系化合物規制#2 PFOS及びPFOAの規制 にも記載のとおり、多くの工業用途において微量ながら極めて重要な添加剤となるPFOSのような物質が規制の対象として検討されており、附属書A(廃絶)に入るか附属書B(制限)に入るかは大いに気がかりなところです。

残留性有機汚染物質(POPs)検討委員会第4回会合(POPRC4)開催結果

上述の第4回締結国会議に先立ち、専門家による「残留性有機汚染物質(POPs)検討委員会第4回会合(POPRC4)」が2008年10月13日~17日にジュネーブで開催されましたが、その検討結果について環境省と経済産業省は2008年10月28日付で以下のように発表を行いました。

  1. スクリーニング段階の審議にかかっていた2物質のうち、エンドスルファンについては、スクリーニング基準を満たすとされたためリスクプロファイル案を作成する段階に進めることを決定。
  2. ヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)については、審議に供する資料の不備があったため今回は情報交換のみが行われ、次回会合(POPRC5)へ審議を持ち越し
  3. リスクプロファイルの審議にかかっていた短鎖塩素化パラフィンについては、当該物質が長距離移動の結果、重大な悪影響をもたらすおそれがあるのか議論が収束しなかったため、危険の管理に関する評価案を作成する段階に進めるかどうかの結論を次回会合(POPRC5)へ持ち越し
  4. 危険の管理に関する評価の審議にかかっていた商業用オクタブロモジフェニルエーテルα-HCH、β-HCHについては、第4回締約国会議 (2009年5月開催予定)への附属書A(廃絶)に追加する旨の勧告。ペンタクロロベンゼンについては、同会議への附属書A(廃絶)及びC(意図的でない生成)に追加する旨の勧告

「今回会合を踏まえ、来年(2009年)5月の第4回締約国会議(COP4)において、前回会合で勧告を決定した5物質(クロルデコン、リンデン、ペンタブロモジフェニルエーテル、商業用ヘキサブロモビフェニル、パーフルオロオクタンスルホン酸及びその塩(PFOS))とともに、上記4. の4物質を条約の対象物質とすることについての検討が行われる予定です」ということです。

もっとも気になる「PFOSは附属書A(廃絶)または附属書B(制限)どちらに入るのか?」の結論については、POPs条約ホームページ(英語)における報道資料では、

The Committee previously approved the risk management evaluation for five chemicals, and recommended that COP-4 consider listing them under Annex A: lindane; chlordecone; hexabromobiphenyl (HBB); pentabromodiphenyl ether (pentaBDE); and under Annex A or B: perfluorooctane sulfonate (PFOS), its salts and PFOS fluoride (PFOSF).

と述べられており、またPOPRCの会議資料においても「PFOSは意図的に目的をもって生産される場合と類似物質の分解などによって意図せずに生成してしまう場合があることや、半導体製造や航空機の作動油、特定の医療機器、メッキなどにおいて現状では代替品のない重要な用途があるなどの理由により、一概に「廃絶」とは決められないので「規制」の方向で考えるべきだが、できるだけ早く「廃絶」に努力するべき」というような曖昧な表現になっており、2009年の締結国会議まで明確にならない模様です。本件については引き続き情報を収集する予定です。

参考文献及び引用先

注意

情報一覧へ戻る