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バルブの基本的な構造

(このページは当会発行「バルブダイジェスト2007」から一部抜粋し再構成したものです)

バルブの構成

バルブには流体の圧力を保持する役目があります。バルブは圧力容器の一種で、弁箱(body)と蓋(cover, bonnet)で圧力容器を構成します。その中で通路を開閉する機構の部分は要部(trim)と呼ばれます。ほかにハンドルや駆動部が付くのが普通です。

材料

バルブの材料には、流体の性状・圧力・温度などを十分に考慮して、強度が保たれるとともに、腐食・浸食・劣化の少ないものを選ばなければなりません。

弁箱材料

強度・耐熱性などを考慮して選びます。鋳造か鍛造によるのが普通です。鋳鉄弁、青銅弁などの呼称は、弁箱の材料をさしています。
(1) 鋳鉄:低廉ですが、錆びやすくもろいので低圧用です。もろさを改善したものもあります。
(2) 鋳鋼・鍛鋼:機械的性質がよく高温でもかなり強く経済性もよいので、広く使われます。
(3) 低合金銅:MoやCrを添加して高温強さ、Niを添加して低温強さを増してあります。
(4) ステンレス鋼:耐食性・耐熱性・低温性・機械的性質がすぐれていますが、高価です。
(5) 銅合金:鋳造性・切削性・耐食性がよく、比較的低圧で小さなサイズに用いられます。

要部材料

(1) ステンレス鋼:耐食性に富んでいます。
(2) 銅合金:切削性と耐食性が良好です。
(3) 表面溶着合金:硬く耐摩性が良好です。
(4) 樹脂・ゴム類:弾性が高く弁座に用います。

補助材料

パッキンやガスケットに用いる金属・非金属類・黒鉛、そしてグリス、塗料などがあります。

圧力と温度の区分

圧力はバルブを設計・製作・使用する際に考慮すべき、基本的な条件のひとつです。

圧力を受ける材料の強さは、温度によって変わります。したがって、圧力・温度と材料の組み合わせで、バルブの強さが決まりますが、個々の条件に対応していると、さまざまな製品ができてしまい、経済面でも取り扱いの面でも不都合です。

これらを合理的に標準化して区分を設けたのが、呼び圧力と圧力温度基準です。

呼び圧力(nominal pressure)

バルブの圧力区分を呼称するために定めた表示です。国内では、JIS(日本工業規格)とANSI(アメリカ規格協会)規格などが多く使われています。前者ではたとえば10Kなどと表記し、後者ではクラス150などと表示します。

圧力温度基準(pressure-temperature rating)

流体の温度とその温度における(バルブを)使用しうる最高圧との関係を、材料グループごとに定めたものです。

材料の強さは温度で変わりますが、この関係を明確に示すもので合理的な表現方法です。一般用のバルブではその性格上、個々の条件で設計するのではなく、通常使用される流体・圧力・温度について、ある範囲ごとに区分し、それぞれの範囲については一種類のバルブを採用することで、共通化をはかっているのが普通です。

この圧力・温度の区分について、JISでは「流体の状態と最高許容圧力の関係」としてまとめています。一方、ANSI・JPI(石油学会)・ISO(国際標準化機構)規格などでは、クラス表示方式またはPN表示方式による圧力・温度基準として規定しています。

バルブの大きさ

バルブの寸法は、バルブが通常、配管に接続して使われることから、管の大きさに合わせて表示します。ただし、ここでいう管の大きさとは、一種の呼び名である「呼び径」を指しており、実際の「口径」とは必ずしも一致していません。管は外径が同じでも内径が幾種類かあり、外径そのものも端数をふくんでおり、実寸法では表しにくいためです。

呼び径(nominal size)

呼び径とはバルブの大きさを表す呼び寸法のことで、管のそれに合わせてあります。表示にはA系列かB系列のどちらかを用います。前者ならA、後者ならBの符号をそれぞれ数値の後につけて表します。たとえば、呼び径25A、呼び径1Bなどど表示します。

口径(bore)

口径とは管との接続端面におけるバルブ流路(流体の通路)の直径です。管の寸法は外径を一定として、高い圧力に用いるものほど厚さを増してあるので、内径は小さくなります。管に接続するバルブの流路直径は、この内径に合わせているのです。

接続方式

接続方式とは、バルブを管や機器に取りつける方式のことで、接続部分からの漏れを防ぐ方式で下図のように分類します。

ねじ込み形(threaded end, screwed end)

ねじで接続する形式です。ねじ部の気密性の関係から、小口径のバルブに多く使われています。

フランジ形(flanged end)

フランジで接続する形式です。低圧から高圧まで、取り外しを要する場合に広く用いられています。条件によって面の形式を選択します。全面座、平面座、はめ込み方、溝形、リングジョイントなどがあります。国内では、JIS規格とANSI規格などが多く使われています。

溶接形(welding end)

溶接で管と接合する形式です。接合部が密封されるため漏れがなく、軽量化される利点がありますが、交換は不便です。差込(ソケット)形と突き合せ形とがあります。

くい込み式

スリーヴを管に食い込ませて接続します。

接続方式

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